ワコムとサイレックス・テクノロジーは、ワコムの液晶ペンタブレットをワイヤレス化して利用するために最適なシステムソリューションの開発を完了し、2011年3月の製品化を目指し共同で市場開拓を行うことで合意したと発表した。両社はこのソリューションの試作環境を7月14日から東京ビッグサイトで開催される「国際モダンホスピタルショウ2010」で紹介し、デモンストレーションを行う予定とのこと。

ワコムの液晶ペンタブレットは、医療機関や教育機関、デザイン制作現場、ペーパーレス会議室、コールセンターなど、さまざまな場面で利用されている。通常はコンピュータと液晶ペンタブレットはケーブルで接続されているが、利用環境により設置場所に制限があったり、セキュリティ上または衛生上の理由でコンピュータと液晶ペンタブレットを離れた場所に設置したいというニーズがあったという。これに対して両社では、サイレックスの映像ワイヤレスシステム端末「Network Display Adaptor」(NetDA)を介してワコムの液晶ペンタブレットとコンピュータをワイヤレスLANで接続した状態で、筆圧や色のバリエーションなど、手書きの描画や文字入力を実運用レベルで行えるようにしたとのこと。通信規格には、一般に広く利用されているワイヤレスLAN規格IEEE802.11gよりも約5倍の通信速度を持つIEEE802.11nを使用。また、NetDAは、複数台の液晶ペンタブレットをコンピュータと接続しても、ビデオ信号とUSB信号を同時に送信することが可能だという。これにより、ワコムの液晶ペンタブレット全製品は、ワイヤレスLAN環境で手書き入力/ポインティング操作、複数台の同時表示が可能となるとのこと。