米Microsoftは7月12日(現地時間)、同社が今秋リリースを予定しているWindows Phone 7用アプリの開発ツール「Windows Phone Developer Tools Beta」の無償提供を開始したと発表した。同社開発者サイトより現在ダウンロードが可能になっている。対応OSはWindows Vista SP2またはWindows 7以上で、2GB以上のメモリとDirectX 10をサポートしたグラフィックカードならびにWDDM 1.1ドライバが必要。

Windows Phone Developer Toolsは、今年3月に米ネバダ州ラスベガスで開催されていたMIX 10でMicrosoftが提供を開始したツールの一般提供向けベータ版。3月時点では一部開発者を対象にしたCTP(Community Technology Preview)という扱いだったが、何回かの機能アップデートを経て正式版リリース前に一般向けベータとして公開された。

今回提供されたWindows Phone Developer Tools Betaには、下記のツール群が含まれている。

  • Visual Studio 2010 Express for Windows Phone Beta
  • Windows Phone Emulator Beta
  • Silverlight for Windows Phone Beta
  • Microsoft Expression Blend for Windows Phone Beta
  • XNA Game Studio 4.0 Beta

Microsoft Expression Blend for Windows Phoneはこれまでエクステンションという扱いでの別提供が行われていたが、今回初めてWindows Phone Developer Toolsの1コンポーネントとして統合された。またDeveloper Registration Utilityというユーティリティが付属しており、これを使うことでWindows Phone 7デバイスを開発用として"アンロック"することが可能になる。こうしてアンロックされたWP7デバイスには、XAP Deployment Toolを使って自身の作成したアプリやツールなどを転送できるようになる。またAPIやテンプレート群もアップデートされており、特にこれまで複数の異なるファイルとしてバラバラに提供されていたDLL群が「Microsoft.Phone.dll」の名称で1つにまとめられている。

また、現時点ではアプリ開発はツール付属のWindows Phone Emulatorを使うしかないが、Microsoftによれば7月19日より開発者を対象にしたサンプルデバイスの提供を開始し、実機でのテストを可能にする予定だという。だがデバイス自体の絶対数が少ないため、主要都市を対象にしたアプリ配布とテスト検証のためのラボを用意して、ここを開発者向けに公開する形態がメインになるようだ。詳細については米MicrosoftのWindows Phone 7チームディレクターのBrandon Watson氏のBlogへの投稿内容を参照してほしい。