アジア時間では円売りだったが、欧州勢参加時間帯になるとリスク売りの展開でドル円は88円台に反落。その後は、模様眺めムードの中、来週のストレステストに対する過剰期待感も剥落し、米株先物が若干軟調に推移したことで、欧州通貨は軟調の地合いに。

NY株式市場は前週水準と変わらず横ばい状態では、市場関係者も動意薄。米企業決算が始まったとはいえ、注目される銘柄が出ないのでは、方向性も定まらず。為替市場では、イギリスの格付け懸念でポンドが下落したことで、EURGBP(ユーロポンド)の堅調地合いとなり、ポンドだけが軟調。ドル円はカヤの外状態。

そして、注目のアルコアの決算は、市場の予想を上回り、1株利益は13セントと発表された。ただ、アルコアの決算発表があっても、株式市場の盛り上がりはいまひとつ。昨日発表された中国の不動産価格が反落したことに加え、インドの鉱工業生産もマイナスとなったことから、欧米経済の停滞感が新興国にも影響が出てきたのではないか、という懸念が出てきているのか。

それとも、米企業決算の中でも、今市場で注目されている消費・金融に関わる銘柄の内容を待っているのか。

欧州金融機関に対するストレステストの結果発表は来週23日の予定になっており、期待を保つには期間が長すぎるうえ、今週からのいくつかの経済指標イベント前のポジション調整等の動きも出ている。

短期金利市場の水準は依然高止まりしていることを考慮すれば、先週までのいくつかの楽観論とは相反する現実の前では、ユーロの買い戻しはむしろ投機筋のポジション調整とみておいた方が無難。ポジションが軽くなった分、いずれの方向にも動きやすいとみられ、次なる材料がどうなるか。

欧州財務相会合ではギリシャの財政再建への取組を評価するコメントを出しているが、既にギリシャの問題ではなく、ユーロ圏・欧州系金融機関の融資額に対する問題に広がっていることから、ギリシャ一国だけの話題ではユーロのサポートになるとは言いにくい。他の地域・金融機関の話題が払しょくされるまでは、先週高値ポイントが上値ポイントとして重しとなってしまうのであろうか。

期待感先行で動いた分、事実を確認するまでは様子見ムードの中、日々の需給要因でレンジ取引となるか。日本の参議院選挙の結果については、市場関係者はすでに過去の話題になっている。 重要なのは政策内容と方針であり、管政権と他の政党等の議論が前向きになるかどうかが重要。 内容が出てくるまでは、無理なスタンスは取らないであろう。

ただ、アジアの株式市場の展開では、ある程度の方向性が出てくるかもしれない。

本日の主な予定

・13:30 (日)5月鉱工業生産 確報

・14:00 (日)6月消費動向調査

・15:00 (ユーロ圏)6月独卸売物価指数

・15:45 (ユーロ圏)6月仏消費者物価指数

・17:30 (英)6月消費者物価指数

・18:00 (ユーロ圏)7月独ZEW景気期待指数

・20:45 (米)週間チェーンストア売上高

・21:30 (米)5月貿易収支

・21:55 (米)週間レッドブック大規模小売店売上高

・02:00 (米)財務省10年債入札

・03:00 (米)6月財政収支

・N/A (ユーロ圏)EU財務相理事会

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