調査会社の米comScoreは7月8日(現地時間)、米国における携帯電話/スマートフォンの最新四半期データ調査結果を発表した。スマートフォンのシェアでは、Apple iPhoneを含む多くのプラットフォームが微減となるなか、GoogleのAndroidが大きくシェアを躍進している。また利用傾向としてはメール送受信よりもSNSやWebブラウジングの利用傾向が強まっており、ユーザーの利用シーンも変化している様子がうかがえる。
comScoreの今回のデータは、5月末時点での過去3カ月平均での集計を基にしている。携帯端末メーカーのシェアは前回の2月時点のデータと比較して大きく変化しておらず、首位のSamsungが22.4%のシェアで若干躍進する一方、2・3位のLGとMotorolaはそれぞれ21.5%と21.2%と微減だった。4位のBlackBerryメーカーであるRIMは8.7%で微増、5位のNokiaは8.1%で微減となっている。対象は米国内の13歳以上のユーザーで、総計約数は2億3,400万程度だという。
一方で、米国のスマートフォンユーザーはその約2割にあたる4,910万人程度となる。プラットフォーム別のシェアではRIMが41.7%でトップ、次いでAppleの24.4%、Microsoftの13.2%、Googleの13.0%、Palmの4.8%となる。Microsoftが2%シェアを減少させるなど、全体に1%近いシェアの下落が見られたが、Googleのみ4%と大幅にシェアを伸ばしており、現在最も勢いのあるプラットフォームへと成長していることがわかる。とはいえ、スマートフォン自体の市場が現在も成長を続けており、多くのプラットフォームはカテゴリ内のシェアこそ減少しているものの、契約数でいえば依然として成長しているようだ。なお、この集計は5月末時点のもののため、AppleのiPhone 4発売の影響はまだ加味されていない。
米国のスマートフォーンプラットフォームにおける3ヶ月間の平均シェア
ベンダー名 | ~2010年2月 | ~2010年5月 | 変動 |
---|---|---|---|
RIM | 42.1% | 41.7% | -0.4 |
Apple | 25.4% | 24.4% | -1.0 |
Microsoft | 15.1% | 13.2% | -1.9 |
9.0% | 13.0% | 4.0 | |
Palm | 5.4% | 4.8% | -0.6 |
また今回の調査報告で最も興味深いのがユーザーの利用傾向だ。モバイルコンテンツの利用動向調査では、トップが「テキストメッセージ(メール)送受信」の65.2%となっているが、次いで「Webブラウザ」の31.9%、「アプリのダウンロード」の30.0%、「ゲーム」の22.5%、「SNSやBlogへのアクセス」の20.8%、「音楽を聴く」の14.3%となっている。注目すべきはその増加率で、メール送受信が1.4ポイントの増加なのに対し、前述のWebブラウジングやアプリ利用、SNSへのアクセスは2ポイント以上の増加を見せている。まだ割合こそ少ないものの、ユーザーの利用動向に変化が起きつつある様子がうかがえる。