日銀が12日発表した6月の国内企業物価指数(速報、2005年平均=100)は前年同月比プラス0.5%の102.9だった。2カ月連続の上昇となる。前月比では-0.4%と8カ月ぶりに下落した。

企業物価指数は、企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数で、景気動向や金融政策の判断材料を提供する目的がある。国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されている。前年の指数を下回る状況が続いていたが5月には、2008年12月以来1年5カ月ぶりに前年を上回った。

6月も、中国をはじめとする新興国の景気拡大で、資源価格が上昇。「石油・石炭製品」は前年同月比でプラス22.8%、「非鉄金属」は同プラス14.0%、工業製品以外では「スクラップ類」がプラス31.9%と大きく値上がりした。ただそのほかをみると幅広い品目で下落。特に「情報通信機器」(マイナス6.6%)、「電子部品・デバイス」(マイナス5.0%)、「電気機器」(マイナス3.3%)の下落が目立っている。日銀の担当者は「原材料価格は、前月比ではやや下がったが、前年比をみると大きく上昇している。一方でカラーテレビや携帯電話などの製品価格は前年比で大きく下落している状況」と話している。

輸出物価指数(円ベース)は87.3で、前年同月比マイナス3.6%、前月比はマイナス1.2%。輸入物価指数(同)は107.7で、前年同月比プラス8.0%、前月比マイナス2.7%。契約通貨ベースでは、輸出物価指数が前年同月比プラス2.1%の100.3、輸入物価指数が同プラス14.3%の125.7となっている。