内閣府は8日、6月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する6月の現状判断DIは、前月比で0.2ポイント低下し47.5だった。2カ月連続の低下。受注や出荷が持ち直しているものの、伸びの鈍化が一部でみられることや、販売価格の引き下げ圧力が強いことなどで、企業動向関連が前月比で1.8ポイント低下している。基調判断は「厳しいながらも、持ち直しの動きがみられる」のまま。

家計動向DIは、前月と同水準の46.2。エコカー購入補助・減税の効果は継続しているが、薄型テレビの家電エコポイント対象商品の変更による駆け込み重要の反動で家電販売が鈍化している。

企業動向関連DIは前月比1.8ポイント低下の47.3(2カ月連続悪化)。製造業・非製造業別にみると、製造業は前月比4.2ポイント低下の48.4、非製造業は同0.3ポイント上昇の46.6となっている。「受注価格、販売価格ともに低下してきている」(中国/食料品製造業)、「受注が全く増えない。取引先も在庫の縮小ばかりで新しい物が出てこない。取引先が縮小傾向にあるため、こちらも同じ方向に向かわざるを得ない。お願いもできない状況にある」(九州/繊維工業)などの声があがった。

雇用関連DIは、正規職員の採用を中心に企業の慎重な態度が続いているものの、一部での新規求人の増加があることなどから上昇。前月比で1.5ポイント上昇し、56.3となった(2カ月ぶりの上昇)

2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIも前月比で0.4ポイント低下の48.3となり、2カ月連続で悪化。「企業」が0.3ポイント、「雇用」が0.5ポイント、それぞれ上昇したのに対し、「家計」では0.8ポイント悪化した。住宅購入における低価格志向の強まり、消費者の慎重な購入態度への懸念、エコカー購入補助・減税の効果が弱まることへの懸念などが理由。「低価格競争が進み、客の取り合いになっている。同業者が廃業する話も耳にするが、今後もこの状態は続く」(東海/印刷業)と厳しい現状を訴える声も聞かれた。