スタンダード&プアーズ(S&P)は7日、日本生命保険の保険財務力格付けとカウンターパーティ格付けのアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。保険財務力格付けと長期カウンターパーティ格付けは「ダブルAマイナス」に、基金の格付けは「シングルA」に、それぞれ据え置いた。

アウトルックの変更は、スタンダード&プアーズのアジア太平洋版新リスクベース自己資本モデルの導入に伴い、日本生命の自己資本評価が下方修正される可能性があることを反映したもの。また、「同社の収益力の低下や資産運用環境の低迷を考慮すると、自己資本水準の強化が以前ほど容易ではない」(S&P)ことも反映している。

S&Pでは今後、「自己資本の新評価規準に基づくリスクプロフィールの現況と見通しについて各保険会社と協議する予定」。また、この結果を踏まえ、「新自己資本モデルを用いた自己資本の評価を段階的に実施する予定」としている。新モデルに基づく評価結果は絶対的なベンチマークではなく、自己資本についての定性的な要因や、業績・収益力といった自己資本以外の要因とともに、格付け分析に反映されるという。