内閣府は8日、機械受注統計(季節調整値)の5月実績を公表した。民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は前月比9.1%減の6,929億円となった。3カ月ぶりの減少。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」に据え置かれた。
機械受注統計は、機械メーカーが受注した設備用機械の受注実績を調査したもの。経済の動向を知る指標のひとつとして注目されている。5月実績をみると、製造業は前月比13.5%減の2,562億円で、2カ月連続の減少。非製造業(船舶・電力を除く)は6.0%減の4,360億円で、3カ月ぶりの減少となった。
製造業17種のうち、受注額が減少したのは10業種。特に減少が目立ったのは「石油・石炭製品」の前月比81.1%減、「窯業・土石製品」の同61.0%減、「電気機械」の30.0%減。そのほか「食品製造業」「非鉄金属」「パルプ・紙・紙加工品」「化学工業」「情報通信機械」「造船業」「繊維・衣服製造業」でも受注額が減少した。一方、増加したのは7業種で、「その他輸送用機械」が前月比41.2%増、「その他製造業」が同8.1%増、「鉄鋼業」が7.9%増などとなっている。
非製造業では、12の業種のうち、「不動産業」(前月比46.0%減)や「運輸業」(同34.2%減)など7業種で受注額が減少。「建設業」(同25.3%増)、「鉱業」(20.8%増)など5業種では受注額が増加している。
官公需、外需なども含めた受注総額は、前月比10.8%減の1兆7,428億円。前年同月比では17.2%増となっている。内訳をみると、民需は前月比14.4%減の7,625億円、官公需は、運輸業で増加したものの、「その他官公需」、防衛省などで減少したことから、同26.8%減の1,866億円だった。外需は、産業機械、道路車両等で減少したものの、船舶、航空機等で増加したことから、同2.7%増の7,608億円だった。代理店経由の受注は、工作機械、鉄道車両で増加したものの、産業機械、道路車両等で減少したことから、同17.9%減の727億円となっている。
5月の販売額は、2兆216億円で、前月比4.3%増。対3カ月平均販売額は1兆9,626億円(同1.3%増)となり、受注残高は24兆1,068億円(同0.9%減)となった。この結果、手持ち月数は12.3カ月となり、前月差で0.3カ月減少した。