イマドキのPCは省エネ設計があたりまえである。いや、省エネ設計していないPCはもはやPCではないと言ってもよいかもしれない。だが、これはPCに限った話ではない。コンシューマよりもずっと多くの電力を食い、CO2も相当吐き出しているオフィスのIT製品、たとえばストレージなんかも、省電力&低CO2排出量をうたう"エコ"な作りでなければ売れない時代になってきている。低騒音や軽量などの条件も重要なエコ指標のひとつだ。
ひと昔前のストレージというと、大企業向けというイメージが強かったのだが、最近は中小企業、いわゆる"SMB"でも扱うデータ量がハンパじゃなくなってきたこともあり、ストレージ導入を検討する企業が増えていると聞く。SMBでは、企業内にIT担当者を置くことが難しいため、サポートが手厚い国内企業の製品を選択するケースが多い。
そしてその中でも、エントリレベルで70万円からというお買い得感からか、富士通のディスクアレイ「ETERNUS DX60/DX80/DX90」は人気が高い。もちろん、価格面だけでなく、性能のほうも主要コンポーネントの二重化、RAID5+0およびRAID6をサポート、とかなりのものだ。だが、最初にも書いたとおり、"イマドキ"のストレージならたとえSMB向けでお値段がお安くとも、エコ対策は絶対に必要である。はたして、ETERNUS DX60/DX80/DX90のエコ度はどの程度のモノなのだろうか。
というわけで、富士通にETERNUS DX60/DX80/DX90のエコ指標を聞いてみたところ……
- 従来機種(ETERNUS2000)に比べて消費電力は8%、年間CO2排出量は最大100kg削減、また、ファン回転制御を最適化し、最大6dBの低騒音化を実現
- バッテリーフリーにより産業廃棄物の低減を実現
- MAID技術を応用したエコモードにより電力消費量を削減
- DX80/DX90では低消費電力、高信頼・高性能なSSDをサポート
- 3.5インチディスクドライブより約50%省電力・軽量な2.5インチドライブをサポート
との回答が。とはいっても、文字で追うだけではいまいち省エネ度を実感しにくいんだよねえ……と思ったら、富士通のWebサイトに「ETERNUS DX60/DX80/DX90 消費電力計算ツール」というツールという便利なユーティリティが! これ、Web上でコンポーネント項目を選択し、「消費電力の計算を実行」ボタンを押せば、通常稼働時、アイドル時、さらにはエコモード適用時における消費電力量がたちどころにわかるしくみだ。なお、エコモードとは、アクセスされる時間が限られているディスクに対し、一定期間ディスク回転を停止させ、消費電力を削減するモードのこと。消費電力削減だけでなく、ディスクの寿命も延ばすことができる点もポイントが高い。
ということでまとめ。ストレージを含め、IT製品は導入ももちろん大切だが、その後の運用はもっと重要だ。運用時も環境に配慮できてこそ、本当の意味でエコなストレージなのである。カタログの数値だけではわかりにくい、ストレージのエコ度合いを図れるこのようなツールを利用すれば、オフィスでの省エネ効果をより高めることができそうだ。