レノボ・ジャパンは7月2日、大和事業所にて「We Love ThinkPadレビューコンテスト参加者の集い@大和ラボ」を開催した。この会は、一般ユーザーを対象としたThinkPadのレビューコンテスト「We Love ThinkPad」の投稿者の中から優秀者を招いて行われた。2010年12月にレノボは大和事業所での機能をみなとみらい21に移転することとなっており、同事業所で行われる一般ユーザー向けのイベントとしては最後のものとなる。
当日、大和事業所のセミナールームに招かれたユーザーは、まず同事業所の歴史や活動内容、歴代ThinkPadに投入されたテクノロジなどを学んだ後、「拷問テスト」と呼ばれるThinkPadの耐久試験を見学し、最後に大和事業所エンジニアとの意見交換会が行われた。およそ20名ほどのユーザーが招かれていたが、レビューコンテスト投稿者だけあって会場のThinkPad使用率はかなりの高さだった。
セミナールームにはThinkPadの新製品やカバーを外して内部を露出させた構造モデルなどが展示されていた |
ちょっと分かりづらいが、水槽に浮かんでいるのがThinkPadのCFRP天板、沈んでいるのが他社製 |
セミナーおよび意見交換会の模様はUSTREAMでもライブ中継された。会場ではエンジニアの説明スライドと並んでUSTREAM視聴者からのコメントがリアルタイムに映し出され、今回参加できなかったユーザー達も楽しめていた様子。また、会場のユーザーもTwitterを通じて会場の様子をリアルタイムでキャストするなど、ソーシャルネットワークを駆使したイベントとなった。エンジニアからは、ThinkPadの歴史や各世代で取り込まれた機能といった紹介はもちろんだが、ThinkPadが何を目指しているのか、「誰が使っても使いやすくかつプロの道具としても満足できる」という理念なども紹介された。国際宇宙ステーションで活躍するThinkPadが紹介された際には、ユーザーから歓声もあがっていた。
ラボツアーに関しては撮影禁止ゾーンを通過するためUSTREAMでは事前に録画された内容が放送された。ただし参加者に関しては実際に施設を巡りその目で試験を見ることができた。普段各々が使っているThinkPadが各種の拷問試験にかけられている様を見たユーザーからは、悲鳴にも近い声が漏れた。振動圧迫試験の迫力や、落下テストでの衝撃音の大きさ、無響室では音の響かない状態がどのようなものか、そうしたものをツアーを通じて体感。また、圧迫試験では実際にどのくらいの圧力をかけているのか、おもりを用いて体験できたり、人が踏んでも液晶割れも無く直後にはちゃんと起動するといったことを体験することができた。
加圧耐久試験でどのくらいの圧力がかけられているのかをおもりを使って説明。なお、このおもりの下に実際試験で使われる面積のプレートがあり、その1点にこれだけの質量が乗っていることになる |
ThinkPadを成人男性が踏んでみた。液晶割れもせず、この後ちゃんと起動をユーザーみんなで確認している |
最後の意見交換会では会場のユーザーはもちろん、USTREAMやTwitterユーザーからの質問にもエンジニアが回答。PC100のような超小型ノートブックの可能性やスレート型タブレットPCに対してどう考えているか、といった質問に対し、エンジニアからは「PC100サイズのノートはデザイン段階では毎年いくつも提案している」とか、「タブレットをビジネスでどのように活用できるのか検討中」といった答えが聞けた。また、デザイナーからはThinkPad Edgeシリーズのデザインコンセプト……シルバーのラインはなぜ生まれたのか……なども聞くことができた。
ユーザーが自分の使っているPCのコンセプトを開発者から直接聞き、テクノロジーを直接見ることができた今回のイベント。大和事業所内での一般イベントとしては最後となるが、みなとみらいに移転した後も是非継続して欲しいものである。