7月10日公開の映画『必死剣鳥刺し』の完成報告会見が5日、都内で行われ、主演の豊川悦司のほか、池脇千鶴、吉川晃司、戸田菜穂らが出席した。

『必死剣鳥刺し』の完成報告会見に出席した豊川悦司(左)と池脇千鶴

『必死剣鳥刺し』は、藤沢周平の短編、"隠し剣"シリーズの同名小説が原作。藩政に悪い影響を与えていた藩主(村上淳)の妾・連子(関めぐみ)を刺し殺した三佐エ門(豊川)が、政治的策謀に翻弄されながらも、自らの剣で運命を切り拓いていく物語。

豊川は、同作について「一言で言えば"サムライブルー"です(笑)」とサッカー日本代表に例えた冗談を飛ばしながらも「時代劇ですが、現代にも通じる作品。日本人でよかったなと、映画を通して感じてほしいですね」とアピール。三佐エ門の妻・睦江(戸田)の姪・里尾を演じた池脇は「起承転結があって、とてもワクワクしました。きちんと人情も描かれています」と自信を見せた。

見どころの一つである、ラスト15分で展開する殺陣のシーンは、CGを使用せずに撮影され、平山秀幸監督は「CGを使わないことで現場の緊張感が高まりましたね。役者たちによる"生の息づかい"に対して、作り手も生身でないといけないと思った」とこだわりを。メインとなるのは豊川と吉川の対決シーンで、豊川が「吉川さんがマジで怖かったので(笑)、真剣にやりましたね」と話すと、吉川も「音楽で言うとセッションをやっている感じ。グルーブ感が出るまでやりました」と、真剣勝負を振り返っていた。

「藤沢さんの世界観がちゃんと描かれている。自分としてはもうちょっと重心が低いほうが良かったかも」と反省点を挙げた吉川(左)

7月7日の七夕にちなみ、短冊を結んでヒットを祈願した豊川と池脇

なお、同作はモントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に出品されることが決定している。

左から、主題歌を担当したalan、村上淳、戸田、吉川、豊川、岸辺一徳、池脇、関めぐみ、平山監督