本稿では、Research In Motion(RIM)のスマートフォンの「BlackBerry Bold 9700」について紹介している。前回は端末の外観デザインについて解説した。今回は、メール、ブラウザ、アプリ配信プラットフォームの「BlackBerry App World」を使って何ができるかを紹介する。

BlackBerry Bold 9700(RIM製)

「BlackBerry Bold 9700」徹底解説

前編 端末デザインの特徴をチェック
後編 メール機能やブラウザをチェック

充実したメール機能 - 連絡先の管理も簡単

BlackBerry Bold 9700を起動するとホーム画面が表示され、デフォルトでは画面下に6つのアイコンが並ぶ。また、トラックパッドの左にあるメニューボタンを押すとアイコンが並ぶメニュー画面が立ち上がる。それぞれの画面上から、アイコンを選択すれば、様々な機能を利用することができる。

ホーム画面(左)とアプリケーション・メニュー画面。アプリケーション・メニュー画面の先頭から6つのアイコンがホーム画面のアイコンになる

BlackBerryは、海外ではビジネスパーソンの利用が多い。これはPCのEメールやスケジューラー、アドレス帳が利用できるという点が大きい。なので最初は、BlackBerryのメール・PIM(Personal Information Manager)について紹介する。

まずメールを利用するには、メニュー画面の「セットアップ」から「セットアップウィザード」を起動するのが早い。セットアップウィザードには、「日付と時刻」「Wi-Fi設定」「言語設定」などに加えて「メール設定項目」が用意されているので、これを選択する。なお、初回起動時に同様のウィザードが立ち上がるので、その時に設定を済ませておくのがよいだろう。

セットアップウィザードを起動し、メールアドレスの作成・追加にチェックを入れる

次は、受信するメールの設定だ。法人ユーザーであれば「BlackBerry Enterprise Server」を使うことでMicrosoft ExchangeやLotus Dominoと連携してメールなどのデータを受信できるのだが、ここでは一般ユーザーを想定して通常のメールアドレスを設定する。

メールの設定では、「メールアカウントの追加」を選び、メールアドレスとメールパスワードを入力する。GmailやHotmailをはじめ、通常のメールアドレスであればこの設定だけでメールが使えるようになる。実に簡単だ。これらの設定はPCからWebブラウザを使って設定することも可能だ。

メールアカウントの追加を選択し、使用したいメールアドレスを追加する

あとはメールアプリを起動すれば、そのメールアドレスのメールを閲覧可能だ。仕事のメールや自宅用のメールアドレスに来たメールを外出先でも素早くチェックすることができる。なお、従来モデル「BlackBerry Bold」の日本語表示は明朝体フォントとなっていたが、BlackBerry Bold 9700ではゴシック体を採用。より見やすくなっている。

メールの受信ボックス

フォントの種類は、「オプション」→「画面/キーボード」→「フォントファミリー」で変更できる

また、自身のPCに付属ソフトの「BlackBerry Desktop Manager」をインストールして、USBケーブルで端末を接続すれば、Outlookに登録したアドレス帳やカレンダー、タスクなどのデータを同期することができる。

PC画面に表示されたBlackBerry Desktop Managerのトップ画面

さらに、「http://m.google.com」から、「Google Sync」アプリをダウンロードしてインストールすれば、GoogleカレンダーやGmailの連絡先リストをワイヤレスで同期することも可能だ。Google Syncであれば、ケーブルを接続する必要もなく、カレンダーやアドレス帳に登録・編集してその場で同期できるので便利だ。

ブラウザで、「http://m.google.com/sync/」にアクセスし、GoogleSyncをインストール。「ダウンロード」フォルダにアイコンが設置される。ここからサインイン可能だ

BlackBerry Desktop Managerは、Outlookとの同期以外に、端末のバックアップやWordや音楽ファイル転送など、様々な機能を搭載している。また、Exchange Serverを使っているユーザーであれば上記のデータをワイヤレスで同期することも可能だ。

なお、Googleとのシンク機能(一部利用できない機能もある)や、PCとの同期については、別記事で詳しく解説する。

快適にPCサイトを閲覧

スマートフォンであるBlackBerryは、Webサイト閲覧のためのフルブラウザも搭載されている。BlackBerry標準のブラウザを利用した場合、基本的にはPC向けのサイトがそのままのレイアウトで表示される。

標準ブラウザでマイコミジャーナルを表示。カーソルが虫眼鏡アイコンになるので、拡大したい場所を選択する

そのため、BlackBerryのディスプレイで表示すると、文字が小さくなってしまい見にくい。そこで、虫眼鏡アイコン(カーソル)を使って画面を拡大する。トラックパッドを押すたびに虫眼鏡アイコンの位置が拡大表示されるので、好みの大きさに拡大して閲覧すればいい。加えて、ショートカットキーの「i」でズームイン、「o」でズームアウトすることもできる。

戻るボタンを押せば縮小できる。リンク上にカーソルを合わせると人先指アイコンになる

なお、標準ブラウザには、ブックマークやページの保存機能、RSS登録機能などが用意されている。Flashは対応していないが、通常のWebサイトであれば問題なく閲覧可能だ。

アプリで機能をカスタマイズ

iPhoneやAndroidなどのスマートフォンと同様に自由にアプリをインストールできる点もBlackBerryの特徴の1つだ。アプリ配信プラットフォーム「BlackBerry App World」が用意されており、ここから好みのアプリを見つけてインストールすることができる。

BlackBerry App Worldのアイコン。起動すると、注目のアプリが表示される

BlackBerry App Worldでは、TwitterやFacebookといったSNSやYouTubeプレイヤー、天気予報など、様々なアプリが提供されている。また、ドコモが独自に提供しているスマートフォン向けアプリ配信サイト「ドコモアプリサイト」から、一般的なFOMA携帯電話との電話帳コピーツール、ルート案内のNAVITIMEといったアプリをダウンロードすることも可能だ。

SNS関連やYouTubeプレイヤーなどの定番のものはもちろん、様々なアプリがダウンロードできる。アプリ検索機能も搭載し、人気順、新着順、評価順などにソートすることも可能。現時点ではフリー版のアプリケーションのみダウンロードが可能となっている

アプリをインストールすることでBlackBerryに機能を追加すれば、さらに使い勝手が向上する。iPhoneやAndroid向けのアプリに比べると数は多くはないが、それでも数千のアプリが提供されている。好きなアプリやテーマを探してインストールすることで、より使いやすい自分だけの端末にカスタマイズしよう。

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BlackBerry Bold 9700は、iPhoneのようなタッチパネルタイプのスマートフォンや、10キーを搭載する一般的な携帯電話とも異なる、独自の立ち位置を確立したスマートフォンに仕上がっている。

操作はやや独特だが、慣れれば快適に使用できるので、タッチパネルに馴染めず、スマートフォンに乗り換えられない人や、テキストコミュニケーションに主眼を置いている人には、お勧めの機種だ。また、すでにBlackBerryを使っているユーザーには、コンパクトになり、より持ち運びたくなった点を強く推したい。

前編にも書いたが、押しやすいよう配慮されたキーのサイズや位置、2.4インチと小型ながらも480×360ドットの解像度を確保したディスプレイなど、BlackBerry Bold 9700には、使い手のことを考えた様々な工夫が施されている。デザインも高級感があり美しいので、是非一度手にとってその使い勝手を試して欲しい。

ここまで2回に渡り、BlackBerry Bold 9700の外観デザイン、搭載機能をざっくりと紹介してきた。メール機能やBlackBerry Desktop Managerについては、ここだけでは語りつくせない様々な使い方が用意されている。今回紹介しきれなかったオーディオプレーヤーや動画再生などのマルチメディア機能についても触れておきたい。また、BlackBerry App Worldでダウンロードできるアプリも紹介したいものが多数ある。その辺は別記事で追って解説していく。