告知のあったとおり、7月3日、名古屋で自作PCイベント「DIY PC Expo in Nagoya」が開催された。自作PC関連では国内最大級をうたう同イベントが、秋葉原以外の地域で開催されるのは今回が初めて。各社最新の製品展示やセミナーが、多くの来場者の注目を集めていた。その模様をレポートしよう。
イベントの目玉のひとつであるセミナーのステージは、NVIDIA、AMD、マイクロソフト、インテルの担当者が登場。NVIDIAは、チャネルマーケティング&セールスマネージャーの高橋一則氏が登壇し、最新ハイエンドGPUである「GeForce GTX 400」シリーズや、話題の3D立体視を実現する「NVIDIA 3D Vision」の技術解説を行なった。
高橋氏はGTX 400シリーズを「テッセレーションのモンスター」と表現。GTX 400は、強力なテッセレートエンジンを内蔵することで、DirectX 11の新機能であるテッセレーションの処理性能が高いという特徴がある |
「NVIDIA 3D Vision」を利用した3D立体視の実現方法を解説。必要なハードウェアで特に気を使いたいのはグラフィックスカードだ。最後の2枚のスライドは、それぞれ、ゲーム向けにオススメの製品と、3D Blu-ray向けにオススメの製品。購入時の参考にしよう |
日本AMDはマーケティング本部 本部長の林淳二氏が登壇。同社が提案するPC選びの基準である「VISION」の概要を語り、自作ユーザー向けに、VISIONの最上位である「VISION BLACK」対応パソコンの自作方法などを紹介した。
AMD「VISION」の種類と、各VISIONロゴで対象となるPCの使い道一覧 |
VISIONのうち、自作ユーザー向けには「VISION BLACK」がオススメ。写真はVISION BLACK対応PCの構築に必要なハードウェアだ |
VISION BLACK対応PCの構成するPhenom II X6の最大の特徴でもある「Turbo CORE」技術の概要。処理負荷に応じてコアクロックを上昇させ性能アップを狙う機能だ |
Phenom II X6はまた、オーバークロック耐性の高さでも知られる。AMDのテストでは、空冷でも4.2GHz、液体窒素冷却で6GHzまでのクロックアップも確認できたとされる |
こちらはVISION BLACK対応に必要なAMD 8シリーズ・チップセットのラインナップ紹介 |
そして最後の構成要素、Radeon HDの紹介。現行の5000シリーズは全SKUで最新のDirectX 11対応なのも特徴だ |
マイクロソフトはコンシューマー&オンライン マーケティング統括本部 コンシューマーWindows本部の森洋孝氏が登壇。まずはWindows 7のセールスについて、登場以来7カ月間のデータを示し、非常に好調であることを説明した。本数で言えば、現在、世界中のWindows OSの導入数は10億本ほどだそうだが、うち1億5千万本が既にWindows 7となっており、およそ1秒間に7本のペースで販売されているのだという。これは、歴代Windowsと比較しても速いペースとされていた。
Windows 7のセールスは非常に好調。森氏は、特にWindows 7のパフォーマンスへの評価が高いためと分析 |
PCの様々な使い方を実現できるWindows 7は、自作ユーザーの個性を活かせるOSだと説明 |
また、「Windows Live Essentials」も発表されたWindows Liveの紹介も行なわれた。様々な追加アプリケーションなどを提供するWindows Liveは、森氏によれば、Windows 95やXPの時の機能追加パッケージ「Plus」のような位置付けとされており、無料でこれが提供されるのはかなりお得でもあるので、是非使ってみて欲しいとアピールされていた。
インテルからは、おなじみ"神様"こと技術本部 インテル・アーキテクチャー・エバンジェリストの天野伸彦氏が登壇。今回のテーマは最新CPUロードマップと、Core i7/i5のオーバークロッカー向け「K」シリーズの技術解説だ。特にKシリーズの解説では、マニアは嬉しいKシリーズの技術内容の紹介から、オーバークロック時の設定のポイントまで紹介され、興味深いものだった。
デスクトップCPUのロードマップ。6コアのi7-980Xも追加され、Core iシリーズが幅広く揃った。2010年2Hには「Sandy Bridge」も見えてくるだろう |
モバイルCPUのロードマップ。今年後半にはエントリーノートブックのプラットフォームも「Calpella」に移行する |
ネットブック向けCPUのロードマップ。Pine ViewのAtomをベースにメモリなどを強化したAtom N475/N455が登場 |
サーバCPUのロードマップ。自作ユーザーには関係ないように見えるが、ItaniumなどをのぞけばデスクトップCPUとも連動する話だけに、チェックしておいて損はない |
Kシリーズでオーバークロックをする際に役立ちそうなTipsなど。Kシリーズとはいえ、製品保証は通常CPUと同じなので、あくまで自己責任というのは変わらないが、せっかくのオーバークロック用なので、自作ユーザーならチャレンジしてみて欲しいところ |
各社の出展ブース
MSIのブース。Intelプラットフォーム向けのX58チップセット搭載ハイエンドマザー「Big Bang-XPower」をベースとしたシステムでFINAL FANTASY XIVのベンチマークや3DMark 11をデモ。ほかにも世界限定3,000枚の注目グラフィックスカード「N465GTX Twin Frozr II GE」も出展。余談だがシリアルナンバー「0000」の超貴重品 |