米Appleは7月2日(現地時間)、最新の多機能携帯「iPhone 4」の携帯電話回線の受信が不安定になる問題について、原因は電波強度をバー表示するプログラムのバグであることを明かした。
iPhone 4の携帯電話ネットワーク接続については、6月24日に米国や日本で発売された直後から、同じ場所で受信強度を示すバーが突然数本消えてしまうというようなユーザーからの報告が相次いでいた。同製品は本体周囲のメタル部分がアンテナシステムの一部になっており、左隅のつぎ目部分を手で覆うように持つとバーが減少する現象が確認されたことで、アンテナ・デザインの欠陥を指摘する声も出ていた。この問題に関して米国では、メリーランド州などで集団訴訟が起きている。
Appleは声明の中で、携帯電話のほとんどの機種において持ち方を変えるだけで受信感度を示すバーが1本またはそれ以上増減すると指摘した上で、一部のユーザーが報告しているiPhone 4の4本以上のドロップが異常であることを認めている。一方で、iPhone 4の電波受信がiPhone 3GSよりも優れているとするレビューやユーザー報告も存在する。こうしたユーザー報告の違いも考慮して調査した結果、電波強度をバー表示するための計算フォーミュラに誤りが見つかったという。
現在のAppleのフォーミュラでは多くの状況で、実際の電波強度よりもバーが2本多く表示されてしまう。たとえばバー2本分の電波強度の場所で4本のバーが立っていることがあり、持ち方によってバー1本分ほど受信が悪くなったときに、iPhone 4上のバー表示が突然1本になってしまう。
対策としてAppleは、米AT&Tが推奨する最新のフォーミュラを電波強度のバー表示計算に採用する。また1本目から3本目までのバーを少し高くしてバーを読み取りやすくするという。こうした修正を含む無料のソフトウエアアップデートを数週間中に提供する。このバグは初代iPhoneから存在していたため、同社はiPhone 3GS/ 3G向けにもソフトウエアアップデートを提供する。
このソフトウエアアップデートでiPhone 4の電波受信が安定しない問題が解決するのが望ましいが、初代iPhoneからiPhoine 3GSではアンテナバーの大幅なドロップの問題が見過ごされ、iPhone 4で突然騒がれるようになったのは気になるところだ。AppleはiPhone 4購入者が製品に十分満足できない場合、損傷がないなど条件を満たしていれば、購入から30日以内はApple Storeにおいて全額払い戻しに応じるとしている。