こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。
今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!
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さて、2007年に初音ミクの登場から始まったボーカロイドのムーブメントは、今もなお廃れることなく続いているわけですが、その中でも一際異彩を放つひとつ(一人)の「歌声合成ツール(※)」が注目を集めています。
※「ボーカロイド」と表記したいところですが、正確には異なるようです(議論があるようです)。今回はそのへんの細かい説明は割愛します。
そんな彼女の名は『重音テト(かさねてと)』。
誕生は今から2年前、2ちゃんねるでエイプリルフールにおけるジョークとして考え出されたのがきっかけでした。しかしその完成度から重音テトの人気は急速に高まりを見せ、その後は歌声合成ツール「UTAU」で使用可能な音声ライブラリが登場するなど、実際に「歌えるキャラクタ」としての道を歩んでいくことになったのです。
今回ご紹介するのは、この重音テトによるオリジナル曲、あるいはカバー曲の名作集。
初音ミクなどとはまた一味違った歌声と魅力を楽しんでいただければと思います。
まずはUTAUとテトの組み合わせで投稿された初の動画とされる(ニコニコ大百科より)こちらの作品。歌うのは、ニコニコ動画ではお馴染みの名曲「鳥の詩」。最近のまるで魔法のような調律に比べるとどうしても完成度は見劣りしてしまいますが、逆に考えればそれはテトの成長の軌跡であり、ユーザーにいかに愛されているかということの証明でもあるのです。
先ほどの動画から少し時を経て、テトのために作られた初のテトオリジナル曲がこちらの動画。歌詞はなく、声はすべて「ルルル」のみですが、それまでオリジナル曲を持たなかったテトが初めて独り立ちした記念すべき一曲と言えるでしょう。
そしてテトの代表曲とも言われるのがこちらの楽曲。まだまだ声に関しては滑らかとまでは言えませんが、現在18万再生を超えるまでになったこの楽曲の登場こそが、その後のテトブームへの重要な起点になっていることは間違いありません。
続いての「嘘の歌姫」は、鏡音リン・レンの代表曲の一つである「悪ノ娘」をカバーした作品であり、その歌詞では重音テトの誕生秘話が余すところなく語られています。冒頭で紹介した重音テトのルーツをテトの歌声と美しい旋律でもう一度おさらいしてみるのもいいかもしれません。
2009年になると、先ほどの「耳のあるロボットの唄」がカラオケ配信されるなど、すっかりテト人気も定着した感が漂ってきます。そんななか生まれたこちらの動画は、3DPV作成ツール「MikuMikuDance」を用いてキャラクタが作成されており、PVとしても非常に完成度の高い傑作に仕上がっています。
さて、このあたりでテトを実際に歌わせてみたいという方のための講座動画もご紹介しておきましょう。実際にUTAUのツール画面を見ながら、どのようにして歌声の調律を行っていくのかという手順がわかりやすく解説されています。といってもこれが簡単にできるのかというと決してそんなことはない(と思う)のですが、テトに興味を持たれた方は見ておくと勉強になるのではないでしょうか。
さて、ここまでテトの歴史を簡単に振り返ってきましたが、現在のテトを語る上で外せないのがこの動画。
ポップで印象に残るメロディが大ヒットし、「重音テト」タグ内で実際にテトが歌っている動画としてはトップの再生数を誇る楽曲。「歌ってみた」への派生も多く、中でも「ろん」による動画は150万再生を突破するなど大きな盛り上がりを見せています。
……さて、それでは最後に、重音テトの現在の調律がどこまで進化したか、よくわかる動画をご紹介して締めることにしましょう。
いかがでしょうか……この進化! 初音ミクの初期のヒット曲のカバーですが、歌詞やメロディーはテトのキャラにもぴたっとハマっていますね。
エイプリルフールのジョークから生み出され、UTAUという歌声と多くのファンを得てニコニコ動画になくてはならない存在にまで成長を遂げた重音テト。今後のさらなる進化に期待したいと思います。
勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ
1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。