東京近郊の男性の半数近くが妻に財布のヒモを握られ、その額も他国より少なめ―。クロス・マーケティングがこのほど行った男性の消費に関する調査で、日本人男性のちょっと寂しい懐事情が明らかになった。
同調査は5月7日~17日まで、日本・中国(北京 / 上海 / 香港)・米国(ニューヨーク)・英国(ロンドン)・イタリア(ミラノ)に在住する30歳~69歳の男性を対象にインターネット上で実施。2,058人から有効回答があった。日本人の調査対象は東京近郊1都3県の400人。
「あなたは、あなたの収入をどうしていますか」と収入の管理について聞いたところ、東京近郊の男性では「収入を配偶者に渡し、配偶者からおこづかいをもらう」(46.1%)という人がもっとも多く、4割半を占めた。おこづかいの額別にみると、月のおこづかいが低いほど、「収入を配偶者にすべて渡し、配偶者からおこづかいをもらう」という傾向がみられ、月額5万円未満の層では、妻に財布のヒモを握られている人が5割を超えている。
では、他の国では、財布のヒモは誰が握っているのだろう? まず中国だが、東京近郊とは逆に「収入の一部を配偶者に渡す」がもっとも多く46.2%。一方、欧米の3都市ではいずれも「収入はお互いが管理する」が半数を超え、特にロンドンでは65.3%を占めた。
気になるのは日本人男性のおこづかい額の"妥当性"。年収に占めるおこづかい率が高い順にみると、中国が最も多く34.1%、ロンドンが12.0%、ローマ・ミラノが11.6%、ニューヨークが10.1%。日本(東京近郊)はもっとも低くわずか6.0%という結果だった。
おこづかいの使いかたにも国により違いはみられ、東京近郊のトップ3は「外食費」「交際費」「書籍代」だったのに対し、ニューヨークでは「外食費」「チケット代」「家族のためのものの購入費」、ロンドンでは「外食費」「新聞、雑誌代」「チケット代」となっている。下記の表をみてもわかるように「欧米ではファッションやコンサートなど多様に楽しんでおり、東京近郊の"おこづかい"に対する概念とは異なっているようだ」(クロス・マーケティング)。
外国の男性に比べ、おこづかいの自由度が少ない日本人男性。背景には、配偶者の就業状況の違いもあるようだ。同調査では夫婦の就業状況についても聞いている。東京近郊で最も多かったのは「妻が専業主婦」の30.7%。わずかながら「共働き」(30.4%)も上回っている。他都市ではいずれも「共働き」がもっとも多く、特にニューヨークでは60.8%を占めた。
東京近郊の男性のおこづかい額と妻の就業状況の関係をみると、おこづかい額が高くなるほど、「共働き」の割合が高くなり、「月10万円以上」と答えた人のうち43.8%が「共働き」と答えている。「世帯年収の高さがおこづかいにも影響している」(クロス・マーケティング)といえそうだ。