リスク回避モードの中、ECBの資金供給の内容からいったんはショートカバーに。米経済指標の内容がまちまち(ADPは1.3万人、シカゴは59.1)だったものの、ADPの数値が重しとなり、リスク回避の展開が継続し、資源関連は軟調になった。

そして、ロンドンFIXにかけてのドル需要でドル円は下値が支えられ、クロス円も買い戻しになった。しかし、ムーディーズのスペイン格付け引き下げ方向での見直しにより株式市場が軟調に推移し、再度下値模索の展開となった。ただ、クロス取引においてユーロが堅調に推移したことから、ユーロはポイントとなる1.2140-50水準を手前にもみ合い状態となっていた。

・08:50 (日)6月日銀短観(市場予測平均:大企業製造業DI -4、非製造業 -7)

・10:00(中)6月中国 PMI 市場予想平均 53.2

・10:30(豪)5月小売売上高・建設許可件数

・15:00(ユーロ圏)5月独小売売上高

・15:45(ユーロ圏)5月仏生産者物価指数

・16:30(欧州)スウェーデン中銀 政策金利発表

・16:58(ユーロ圏)6月ユーロ圏製造業PMI -改定値-

・20:30(米)6月チャレンジャー企業人員削減数

・21:30(米)新規失業保険申請件数

・23:00(米)5月建設支出

・23:00(米)6月ISM製造業景気指数

・23:00 (米)5月住宅販売保留指数

・[休場]香港、カナダ

明日の米雇用統計に向けての下準備ともいえる米経済指標の内容が強弱となった。今晩のISMをはじめとする経済指標においてどのような内容になるのかが注目される。

ただ、市場においては、昨日でこそユーロ圏内の資金調達不安がいったんは落ち着いたとみられるも、短期金利市場においては高止まり状態であり、まだ予断を許さない状態と見る。

アジア時間においては、いくつかの注目イベントがある。まずは日銀短観だが、よほど市場の予想平均とのかい離がなければ、無風状態になろう。ただ、ユーロの水準が大幅に下落していることもあり、各企業の想定為替レートは注目しておきたい。今後の為替ヘッジに対する思惑が出てくる可能性がある。

そして、次なるは中国のPMI。今週初めに米コンファレンスボードが予想を大幅に下方修正したことが話題になったが、はたしてどのような数値になるのか。人民元の動きも気になるが、鈍化傾向を示すのであれば、中国当局の次なるステップに警戒する市場関係者としては、若干落ち着きを取り戻せるか。

また、その後に発表されるオーストラリアの小売売上高・建設許可件数においては市場では弱めの数値を予想している。株式市場のセンチメントだけではなく、まだ話し合いがもたれている超過利益に対する課税が重しとなっているうえに、前述の中国PMIと合わせて中国側の需要後退となれば、AUD(豪ドル)およびASX市場は下値模索をしやすい地合いになろう。現状ではファンド筋の買い興味(利益確定?)が0.8350-70水準にあるようだが、ネガティブ材料であれば、あっさりとひいてしまう可能性があり、要注意。

また、昨日のNY時間においては、ユーロの対資源通貨に対して買い戻しが入ってきていることもAUD及びCAD(カナダドル)に対して重しとなる可能性があり、このクロス取引におけるテクニカルポイントも要チェック。

リスク回避的な話題がくすぶっている中で、各通貨・株式においてのポジションのリロケーションの動きが入ってきており、対ドルの展開も時間帯によって右往左往しやすい。不美人投票の中で1位・2位を争っている状態ではドル円の展開も動きも限られようが米金利の展開がカギとなるか。