日本銀行は1日、6月の全国企業短期経済観測調査(短観)の結果を発表した。景気の重要な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス1となり、08年6月以来、2年(8期)ぶりにマイナスから脱却した。上昇幅は15ポイントで、3月調査時に予測していた6ポイントを大きく上回った。昨年3月の短観以降5期連続の改善となる。
景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた業況判断DIは、製造業では、大企業がプラス1、中堅企業がマイナス6(前回調査から13ポイント上昇)、中小企業がマイナス18(同12ポイント上昇)。非製造業では、大企業がマイナス5(同9ポイント上昇)、中堅企業がマイナス13(同8ポイント上昇)、中小企業はマイナス26(同5ポイント上昇)。すべての規模・業種で前回調査を上回った。
大企業製造業のDIは16業種すべてで上昇。なかでもDIが高かったのは「自動車」のプラス18(前回調査から20ポイント上昇)や「化学」のプラス13(同8ポイント上昇)。低かったのは「木材・木製品」のマイナス44(同8ポイント上昇)や「鉄鋼」のマイナス23(同14ポイント上昇)だった。上昇幅が大きかったのは、前回調査から31ポイント上昇の「繊維」(マイナス12)や、27ポイント上昇の「はん用機械」(プラス8)、26ポイント上昇の「生産用機械」(マイナス14)など。
3カ月後(9月まで)の見通しについては、大企業製造業が2ポイント上昇のプラス3。ほかは、製造業の中堅企業が2ポイント低下のマイナス8、中小企業が1ポイント低下のマイナス19。非製造業は大企業が1ポイント上昇のマイナス4、中堅企業が1ポイント低下のマイナス14、中小企業が3ポイント低下のマイナス29。大企業以外では後退する予測となっている。