ダイソンは25日、"羽根のない"扇風機「AirMultiplier(エアマルチプライアー)」の新モデルとして「AMO2 タワーファン」、「AMO3 フロアーファン」の2タイプを発表した。7月上旬よりダイソン オンラインストアにて発売を開始。9月1日より全国の家電量販店を中心とした小売店にて販売する。オンラインストアでの販売価格は、どちらも5万4,000円。

「一般的な扇風機にある羽根は、送り出す空気のムラを生じさせるほか、安全面でも問題があった」とダイソン アレックス ノックス氏

吸い込んだ空気の18倍の風量を生み出す、「AMO3 フロアーファン」(左)と、同じく16倍の風量を生み出す「AMO2 タワーファン」

羽根がない独特のデザインで話題を呼んだAirMultiplierは、2009年10月に国内発表。飛行機のエンジンにも使用されているテクノロジーを応用した「ミックス フロー インペラー」によって空気を吸い込むなど、独自の「エアマルチプライアー テクノロジー」により周囲の空気を巻き込み、吸い込んだ空気の15倍以上の風を生み出すのが特徴だ。また、一般的な扇風機では羽根が空気切り、断片的で打ちつける風となるが、同製品では、スムーズな風を生み出すことができるという。

昨年10月に発表された卓上タイプ「AM01 テーブルファン 25cm/30cm」(2010年4月には、オンラインストア限定モデルも発表)。AirMultiplierでは羽根とカバーを取り除くことで、掃除も簡単になっている

新モデルではモーターを大型化。リビングやオフィスなどより広いスペースでの使用を想定して開発されている。AMO3 フロアーファンは、AirMultiplierシリーズの中で、風量が最も多いタイプ。スタンドにスプリングを用いることで、留め具などを必要とせずに、円形パーツを上下させるだけで高さ調節できるのが特徴。高さは約1.2mから1.4mまで調節可能で、前後各20°の角度調節、首振り機能にも対応。カラーは、ホワイト/シルバーの1種類。本体サイズは、高さ1,188/1,408(伸ばした状態)×幅450×奥行き107mmで、重さは4.30kg。

円形パーツを軽く押すことで、高さや角度の調節ができる

一方、AMO2 タワーファンは、高さ約1m、幅19cmのスリムボディを採用した省スペース型。首振り機能に対応するほか、アイアン/サテンブルー、ホワイト/シルバーの2種類のボディカラーを用意する。重さは3.36kg。

モーターを胴体下部に設置したため、安定性も高いという

両モデルとも電源のオン・オフや、風量調整、首振りの設定を操作可能なリモコンを同梱。曲線型としたリモコンは、マグネットを内蔵しており、製品本体上部に設置可能だ

デザインエンジニアとして、ダイソン初期モデル「DCO1」からほぼすべての製品開発に携わる、インダストリアル デザイン ディレクター アレックス ノックス氏は「AirMultiplierでは技術だけに目を向けるのではなく、ユーザーがどう使うかを重視した。例えば、高さや前後の角度調整なども留め具を不要とすることで非常に使いやすくなっている」と話していた。