9月11日に公開を予定している映画『悪人』の完成報告会見が24日、都内にて行われ、妻夫木聡、深津絵里、岡田将生ら豪華キャスト陣が集結した。
『悪人』は、芥川賞作家・吉田修一による殺人事件を扱った同名長編小説を映画化したもの。OL・石橋佳乃(満島)を殺してしまった土木作業員の青年・清水祐一(妻夫木)は、出会い系サイトで出会った女・馬込光代(深津)とともに逃避行をはかる。何が祐一を凶行に駆り立てたのか? 何故、光代は祐一とともに絶望的な逃亡を続けるのか? 殺人者の男と男を愛した女、引き裂かれた家族、加害者と被害者――様々な視点から事件の真相が明らかになるにつれ、浮かび上がってくる一つの疑問。「一体、誰が本当の"悪人"なのか」。
原作に魅せられ、制作陣やキャストが集結したという本作。殺人者・祐一を演じた妻夫木は、原作を読んで感銘を受け自ら監督に「祐一役をやりたい」と名乗りをあげたという。妻夫木は「初めて自ら望んでやらせていただいた役なので、すごく思い入れが強いです」と語り、「役を演じることを根本的に見直して取り組んでいこうと思って、祐一に近づくために、ひとりで(本作の舞台の)長崎に行ってみたり、土木作業員のバイトをやってみたりもしました」と明かした。また、「深津さんに、(撮影中に)失礼なことをするかもしれないので、すいません、と先に謝ったら、『え~、何するの?』って言われてしまって(笑)」というエピソードも披露し、「役に入ってみたら、ちゃんと抱きしめてくれるというか、迎え入れてくれて力になりました。李監督の鬼のような演出に耐えられたのも、深津さんが一緒だったからかな、と思います」と、深津とともに乗り越えた過酷な撮影の日々を振り返った。
「祐一を通して、自分と向き合いたかったのかもしれない」と話した妻夫木。どうやって演じていいか分からず、「撮影最後の大晦日の日まで悩みつくしました」という |
自分を"悪人"と感じた瞬間を聞かれた深津。「こういう場は緊張してしまって苦手なので、"この会見が一刻も早く終わってほしい"と思っている、今です(笑)」と照れ笑い |
一方、深津は「最初から最後まで一緒に戦い続けた妻夫木さんを、どんなことがあっても何があっても信じようと決めて、光代を演じました」と話し、妻夫木に全幅の信頼を寄せていた様子。「演じることに対してすごく真面目で素直で、暖かくて、頭が下がる思い。集中の仕方がすごくて、監督からも自分でも、自身を追い込んで戦っていて、その姿にエネルギーをもらいました」と、妻夫木の演技に対するストイックな姿勢を絶賛していた。
映画『悪人』は、9月11日より全国ロードショー。