ソフトバンクモバイルは24日、新型多機能携帯電話「iPhone 4」の販売をiPhone取扱店の一部とモバイルオンラインショップで開始した。旗艦店のソフトバンク表参道では当日販売分の購入希望者が長い行列をつくった。同店では午前7時45分から発売セレモニーが開催され、孫正義社長が登壇。セレモニーの様子はUstreamでも生中継された。
同社では本端末の発売に先駆け、6月15日から予約の受付を開始したが、注文数が予想量を上回ったとして18日には予約受付を終了していた。予約者には現在、各店舗から受取日の案内がされている。一方、ソフトバンク表参道はじめiPhone取扱店15店舗では本日、予約できなかったユーザーへの配慮から数量非公表で当日販売を実施した。
登壇した孫正義社長は、「初めて手にしたときはしびれた。両面がガラス製なので、大きな宝石を触るような気分だった。より美しいハイビジョン動画や写真を楽しむことができるようになったのが嬉しい。今回は3GSからの大きな進化が、目に見える形で表現されている」と製品の特長を述べ、供給量不足のため希望者全員にお渡しできないのが心苦しい、と付け加えた。
1番最初に購入できた男性は、音楽家のハイパー高橋(高橋登也)氏。月曜日の午後15時29分に表参道店の前を通りがかり、誰もいなかったのでそのまま並んでしまったという。iPhone4を手にし、「一生の思い出になった」と満面の笑みを浮かべていた。
囲み取材で、孫社長は「ひとつの製品が、業界全体の常識を根底から覆した例はこれまで数えるほどしかない。アップルのスティーブ・ジョブスは、それをやり続けている歴史上の人物。iPhoneのような芸術的な『作品』に触れることができるのは、とても幸せだ」「アップルには次々と新しいモノを生み出すDNAが培われている」と、アップルおよびスティーブ・ジョブスの業績を絶賛した。
また、「来月中に海外パケット定額を実現したい」と発言。これは、夏休みに海外へ行くユーザーが、パケット費を抑えるために海外SIMを買って使うという例があることを考慮してのコメントだった。現在、7月中に実現できるよう検討中だという。
販売時、手数料として頭金を要求する店舗がある問題については、「独禁法に触れるため、販売価格の統制はできない。しかし、ある定価を上回るのを禁止することはできるはず」と述べ、「今後ソフトバンクの割賦販売を使う場合は、頭金制度をやめることを代理店、販売店にお願いする」方針を明かした。