世界では誰もが知るグローバル企業「GE(ゼネラル・エレクトリック)」の独占販売権を持つ「ジェネラル・イメージング・ジャパン(GIJ)」が、満を持して日本のデジタルカメラ市場へ参入したことをご存じだろうか。

GEは、かの発明王エジソンが創設した世界最大級の複合企業だ。家電品はもとより、ジャンボジェット機のエンジンや宇宙開発の先端技術をはじめ、金融サービス、メディアなど幅広い事業を展開している。このトップブランドイメージが、カメラ市場参入の大きな足がかりとなっているという。

まずはアメリカで投入…そして2009年、日本上陸

カメラ市場参入前、アメリカで1,000人以上に事前調査を行ったところ、調査対象の75%が「GEが発売するデジカメに興味がある」と回答。中でも、女性の85%が「買いたい」と答えたという(同社では、これはシステムキッチン分野でのブランド認知度の高さが要因と分析している)。これらのデータからGEは市場参入を決定、3年前から欧米にて発売を開始した。が、しばらくは日本での発売は見送られていた。その理由は、日本市場を"特別"と認識していたからだ。

日本投入の初号モデル「E1035」

欧米で発売している製品のレベルでは、日本では通用しない。そう判断したGIJの開発陣は、心臓ともいえるレンズをはじめ、機能、デザインなど、総合的な商品力の向上に努めた。ちなみに、当時のデザインスタッフの中には、ソニーのVAIOシリーズを手がけたデザイナーも参加していたという。

製造プロセスも効率化した。多くの大手カメラメーカーは、開発を日本、製造を海外で行っているが、これではどうしても開発と製造間のコミュニケーションが不足する。そこでGIJでは、開発と技術・製造を一箇所にまとめて生産する体制を整えた。

こうした努力を重ねた結果、ようやく十分な商品力を身に付けることができたと判断。約1年前の2009年5月、満を持して日本国内に製品を投入したのである。コンセプトは、「Value for money」。これまで6,000円台の最安コンパクトモデルを筆頭に、ハイエンドの15倍ズーム機でも2万円台という徹底したハイ・コストパフォーマンスを前面に打ち出すことで、既存の大手メーカーとの差別化を図っている。…つづきを読む