米カリフォルニア州ロサンゼルス市内でESA (Entertainment Software Association)主催のゲーム展示会「Electronics Entertainment Expo (E3)」が6月15~17日の会期で開催されている。すでにE3に併設される形で実施されたMicrosoftとソニーのメディア発表会の様子を紹介したが、本稿ではこのE3本体の展示会の様子をレポートしていく。
3DS体験コーナー前には3時間待ちの大行列が - 任天堂ブース
かつては世界最大のゲーム総合展示会として隆盛を誇ったE3だが、出展料高騰によるメーカーの離反やESA内部抗争による分裂で、一時は会場をサンタモニカに移して一部関係者のみを対象として小規模開催されていた時期(2007~2008年)もあった。だが昨年2009年に再び会場をロサンゼルス市内へと移し、展示会中心のイベントへと復帰した。かつての大展示会としての圧倒的な雰囲気はないものの、大手メーカーを中心に少し賑やかさを取り戻した印象だ。今回のレポートでは、個別イベントで発表を行ったハードメーカーのブースを中心に紹介していこう。
まずは任天堂ブースだ。「ニンテンドー3DS」を発表した直後の同社ブースでは、やはり最大の目玉は3DSだ。デモ映像のみが流れていたプレス展示会での3DSとは異なり、こちらでは実際にゲームを各人20分だけ体験することができるようになっている。だがこの3DS体験コーナー、そこに達するまでの行列がものすごく長い。筆者がSCEAの発表会の後、会場に到着できたのが15日の3時半近く。すでに閉館まで2時間ちょっとほどになっていたが、なんと行列待ち時間が2時間半から3時間ほどと言われた。すでに並んでも遊べるかわからない。16日朝の展示会場オープンとともに再びトライしてみたものの、やはり今度もすでに大行列で、なんと昨日の夕方より長い行列になっている。筆者はもう移動しなければならない時間だったため、3時間以上も待てずタイムオーバーとなったが、こんなオープン状態から大行列とはどれだけの人が集まっているのだろうか?
写真左は「ニンテンドー3DS」の体験コーナーへと続く行列。なんと、これで2時間半待ち以上とか。すごい人だ。そして写真右が体験コーナー行列の先にあるもの。コンパニオンたちの前で真剣にゲームに興じる人たち。2時間以上の待ち行列を抜けた猛者だ。なお、離れた場所から見る限り、体験コーナーにある筐体はすべて黒色のようだ |
というわけで、実機動作のデモ映像やムービーの提供は残念ながら今回のレポートではできなかったが、体験コーナーの行列横に3DSのモックアップが大量に展示されていたので、そちらの写真を紹介しておく。なお、現在任天堂から公式に発表されている3DSのカラーバリエーションは赤、青、グレー(黒)の3色のみとなっているが、この展示会場のモックアップには、さらに紫とゴールドの2色が用意されていた。ただし前述の3色も正式決定ではないとみられ、今後のユーザーの反応をみて発売日には変更されるかもしれない。
ゲームパッケージ、カートリッジ、専用クレイドルの紹介。写真右は、モックアップのあるガラスショーケースを一望する形で撮影。正面方向は行列側に向いているため、上記の写真は手をまわしてカメラだけ正面に向けて撮影を行っている(撮影品質が悪いのはそのため) |
話題はやっぱりMoveと3DのSCEブース
続いてはSCEブースだ。まず目につくのはMoveの体験ブースで、大スクリーン上でMoveのデモムービーを流しつつ、各々がモーションゲームに興じていた。とはいえ、Moveのコントローラを使っていても体を大きく動かす必要のないゲームも多いため、イスに座って離れた場所にあるTVにリモコンを向けて片手で操作をしている様子が散見されたりと、デモで見られるようなアクティブさとは違った雰囲気で面白い。
そしてもう1つの目玉は3Dとなる。物珍しさは「ニンテンドー3DS」ほどではないものの、まだ家庭用に3D TVがほとんど普及していないうえ、PCゲーマーでない限り3Dゲームに触れることも少ないため、多くの来場者が3D体験を目当てにこのコーナー周辺に集まっていた。ここではSCEAの発表会でも紹介された3Dゲームの数々のほか、プレイステーション 3でBlu-ray 3Dを再生した3D映画鑑賞も行われていた。Blu-rayを使えるのはプレイステーション 3の特権だろう。
14個のボタンを自分自身の体で置き換える「KINECT」 - Microsoftブース
最後はMicrosoftブースだ。隣接する任天堂とSCEブースに対し、Microsoftだけ会場が異なっている。ホールを移動してMicrosoftブースに入ると、そこには新型Xbox 360がずらりと並んで出迎えてくれた。さすがにこれだけ集まっていると圧巻だ。すぐ裏にはKINECTの体験コーナーがあり、それぞれのブースには別個のゲームが用意され、さらに複数人のインストラクターがついている。しかも、エクセサイズを主眼とした「Your Shape」コーナーのインストラクターは、ちゃんとそれっぽいトレーニングウェアに着替えている。
全身を動かしてみんながゲームに興じている様子を見るのはなかなか楽しい。とはいえ、日本では住宅事情で都市部ではそれほど部屋が広くないうえ、騒音問題でなかなか騒げないのはつらいところだ。実際、多人数で騒ぐパーティゲームが多いため、これをどう日本の家事情に合わせてアレンジしていくかはMicrosoftの腕の見せどころだ。