『暇だと何でもやる監督だよね』みたいなのが理想です
――ギャグの部分で言えば、豊島監督は『幽霊VS宇宙人 略奪愛』などの作品でも、ブライアン・デ・パルマ監督にオマージュを捧げていました。今回の『ソフトボーイ』では、SF映画『アルマゲドン』にオマージュを捧げているシーンがありますね。
豊島「あれは脚本に"『アルマゲドン』のように歩く"と書いてあったんです(笑)。ただ、『怪談新耳袋 殴りこみ!』(※)でも、あれをGメン歩きといってやってるんで、わかる方もいるかもしれませんね」
※『怪談新耳袋 殴りこみ!』とは……人気実話怪談本『新耳袋 -現代百物語』に登場したガチの心霊スポットを豊島監督が訪れるという笑いあり、恐怖ありのドキュメンタリー作品
――豊島監督は『ソフトボーイ』を観客にどのように楽しんで欲しいですか?
豊島「この映画は、ソフトボールに取り組む9人の若者の、2009年夏、その瞬間にしか捉えられない姿が描かれている作品です。そういう意味では、成長して変っていく20歳前後の俳優たちの一瞬の姿を捕らえているドキュメントともいえると思います。それを観に来て欲しいですね」
――今後は、どんな作品を監督していきたいのですか?
豊島「僕が尊敬している篠原哲雄監督は職業監督で、色々なジャンルの作品をやっている方なんです。僕もそうありたいと思っています。自分で言うのもなんですが、僕は器用な方だと思うので、色々なジャンルの作品に挑戦したいですね。そのなかで自分のやりたい事をどう出せるかが大切だと思うので。『豊島って、暇だと何でもやるよね』みたいパブリックイメージになればいいんですけどね(笑)」
――ということは、まだ『怪談新耳袋 殴り込み!』もやるんですね。
豊島「じつは、こないだ撮影で八甲田山に行ってきたんです。東京衣装で軍服を借りてそれを着て心霊スポットに行くという、罰当たりな作品を撮りました(笑)。『怪談新耳袋 殴りこみ! 東日本編&西日本編』です。7月21日発売です!」
――そちらも楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。
撮影:糠野伸