「人口30億人、インターネット利用者7億5千万人を抱えるアジアはHotels.comにとって新たな成長エリア。特に日本はアメリカに次ぐ、世界第2の旅行ビジネスマーケット」と話す、Hotels.com アジア・パシフィック最高経営責任者 ヨハン・スヴァンストローム氏

米フォーチュン誌の2009年「世界で最も賞賛されているインターネット会社ランキング」において、Google、Amazon、eBayに続き4位を獲得したExpediaグループ。1996年にマイクロソフト社の一部門として創立して以来、快進撃を続ける同グループのオンライン宿泊予約サイト「Hotels.com」がこのほど、日本市場における戦略説明会を行った。

Expedia、tripadvisorなど9つのブランドを展開するExpediaグループの一員であるHotels.comは、12万件のホテル情報を有する"ホテルのエキスパート"。1991年にアメリカでスタートした後、2002年にイギリス、2003年にヨーロッパ諸国…と規模を拡大させ、2008年に台湾、中国、香港、韓国などと同時に日本にも参入。アジアを同社の"成長エリア"と位置づけ、13カ国8言語の現地サイトを展開し、2009年は前年比100%を超える成長率を記録したばかりではなく、アジア圏の日本のホテルの予約数は前年比200%の成長率を記録したという。

Expediaグループ。複数のブランドを展開する理由は、「さまざまな旅行者のどんな要望にも応えてられるようにするため」(スヴァンストローム氏)。9つのブランド中、Hotels.comをはじめとする5つが日本語にローカライズされている

前年比150%の成長率を記録するHotels.com Japan

2010年は「原油価格も安定し、インフルエンザなどの影響もないうえ、羽田空港の増便などで海外旅行に行く人は確実に増えるだろう」と話すHotels.com 日本・韓国 マーケティング・マネージャー 吉原聖豪氏

また、Hotels.com Japanはアジアで2番目に大きいサイトであり、2010年5月には前年比150%の成長率を記録。今年のマーケティングと開発投資は2009年に比べて2倍にしていく考えだ。

ただ現時点では、業界全体におけるオンライン旅行市場が占める割合はごくわずか。旅行代理店に足を運ぶ習慣が根強い日本は、オンライン宿泊予約サイトには厳しい市場ともいえるが、「欧米ではホテルと航空券を別々に購入する人が多く、日本でもその傾向は拡大するはず。多くの旅行者がオンラインで旅行アイテムを購入するのと同じく、ホテル予約サイトにも成長の余地がある」とHotels.com 日本・韓国 マーケティング・マネージャー 吉原聖豪氏は"伸びしろ"に期待をみせる。

Hotels.comトップページ。リアルタイムで空き部屋を検索できたり、瞬時に予約確定ができるほか、朝7時から夜中の1時ま対応可能な日本語のコールセンターなど、忙しいビジネスマンにとって嬉しいサービスも揃う

さらに、Hotels.comが有する12万件のホテル情報からは、「目的にあったロケーション、価格、サービスや施設などを選べ、"選択肢"の多さでも納得して利用していただける」と言い切る吉原氏。リスクゼロの予約を目指す「キャンセル料0円」、最低価格で提供する「価格保証」、年中無休で日本人が電話対応する「電話予約のチャージ無料」など同社が提供する様々なサービスも、その自信につながっているのだろう。

今後は、日本人が好む旅行先のキャンペーンを強化(「ハワイの星付きホテルが最大60%オフ! - Hotels.comが72時間限定セール開催」など)するとともに、Twitter(@hotels_com_JP)を利用してお得な情報を随時発信することで、「日本のお客様とのコミュニケーションを図っていく」(吉原氏)予定。「日本のマーケットはこれからどんどん伸びるはず。多くの人にHotels.comの良さを知ってもらいたい」――。日本上陸から2年、Hotels.comの挑戦はまだまだ始まったばかりである。

同社によると、日本人利用者が最近、興味をもっている旅行先は「インド・ゴア」、「南アフリカ」、「ドイツ」だという