ATOKからダイレクトに検索 |
既に小誌でも取り上げている「ATOK 2010 for Windows(以下ATOKと表記)」。読者の皆さまも「ATOKハイブリッドコア」の進化によって利便性が飛躍的に向上した連想変換や様々な入力支援機能、さりげなく誤りを指摘してくれる校正支援機能を利用して快適な日本語入力ライフを送っていることと思う。かく言う筆者もATOKをフル活用して原稿を執筆しており、もはやATOKなしでは作業ができない! というほどの"ATOKフリーク"と化してしまっている。
しかし、ATOKの魅力は支援機能のみにあらず。「広辞苑 第六版 for ATOK」や「共同通信社 記者ハンドブック辞書 第11版 for ATOK」といった各種専門辞書を追加する、検索Webサイト大手「Yahoo! JAPAN」やソーシャルブックマークでお馴染みの「はてな」等のWeb情報との連携によって、その利便性の幅はさらに広がるのだ。そこで今回はATOKとWeb情報連携を拡張する「ATOKダイレクト」について紐解いていこう。
まずは「ATOKダイレクト」を利用するための準備から
「ATOKダイレクト」はATOKの機能拡張プラグインのひとつ。利用するには、 "ATOK.com"Webサイトに用意された「バリューアップサービス[ベータ]」から「ATOK 2010 for Windows」にアクセスしよう。
こちらが"ATOK.com"に用意された「バリューアップサービス[ベータ]」のページ。ダウンロードは画面中央の「ダウンロードはこちら!」から「ATOK 2010 for Windows」を選ぼう |
「ATOKダイレクト」プラグイン以外にも、ATOKをより一層使いやすいものへと進化させる機能拡張が提供されているので要チェックだ |
Webサイトを下へスクロールさせていくと、「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」、「ATOKダイレクト for はてな」の項目がある。そこで"ダウンロードページへ"というボタンをクリックしてそれぞれのプラグインをダウンロードするのだが、「User ID」と「User ID用パスワード」を入力する必要があるので、手元にそれらを控えたメモを用意しておくとスムーズに作業することができる。ファイルのダウンロード後は、それぞれを実行してインストールをガイダンスに従って行うだけでオーケー。これで下拵えの第一幕が終了だ。
「User ID」と「User ID用パスワード」は製品購入時に行うユーザー登録を済ませておかないと発行されない。「ATOKダイレクト」を試す前に必ず済ませておき、手元に控えておくようにしよう |
インストール作業はガイダンスに従って操作していくだけなので、手間も掛からずあっという間に終了してしまう |
プラグインを有効化するためにいったんシステムを再起動
「さあ、ATOKダイレクトを導入してどれだけ文章作成が面白く、そして便利なものになったのだろう?」と、勢い勇んで「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」、「ATOKダイレクト for はてな」を有効化させようとしたときのこと。筆者は恥ずかしながら、ここでしばらく躓いてしまった。
Webサイトに記載された「ATOKパレット上で右クリックして、基本のメニューから[ATOKダイレクト-環境設定]を選択」という操作を行おうにも、その項目がメニューにないのだ。今思えばごく当たり前のことなのだが……プラグインインストール終了後、いったんシステムを再起動させないとATOKパレットに[ATOKダイレクト-環境設定]という項目は表示されない。筆者はそれをすっかり失念していたのだ。こんなうっかり屋さんは少ないだろうが、「あれ!? メニューにないぞ!」と思われたら再起動ということを覚えておこう。
さて、再起動が終了したらATOKパレットにカーソルを合わせ右クリック、[ATOKダイレクト-環境設定]を選択しよう。ダイアログが表示されたら[プラグイン-一覧]内のチェックボックスをオンにすれば有効化完了だ。
ダウンロードしたプラグインを有効にするために、ATOKパレットを右クリック、[ATOKダイレクト-環境設定]を選択 |
環境設定ダイアログが表示されたら[プラグイン-一覧]に表示された「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」、「ATOKダイレクト for はてな」にチェックを入れて設定は完了だ |
ATOKダイレクトを使うとこんなに便利に!
さて、無事ATOKダイレクトを使用する準備が整ったなら、あとはその利便性を実際に味わってみるとしよう。例えばこんなシチュエーションはないだろうか? 取引先にメールで返信を書かねばならないのだが、専門用語を正しく使っているか疑問に思う。
おそらく問題なく相手にはこちらの意図が通じるのだが、誤った使い方は改めたい。そんなときに便利なのが「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」だ。ここでは、IT業界で良く耳にする「デプロイ」という単語を例に使い方の一例を紐解いてみよう。
使い方自体は至ってカンタン。単語を入力し終えたら「Shift+Ctrl+Insert」キーを入力して「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」を選択する。すると、「ATOKダイレクト候補」がリストアップされるほか、「ATOKダイレクト解説」が表示され語句の意味や使い方を調べることが可能になる。さらには、詳細を見てみたいリスト上で「Shift+Enter」キーを押下すると、直接ブラウザで対象ページへとアクセスすることもできるのだ。
単語を入力して「Shift+Ctrl+Insert」キーを入力すると利用可能なATOKダイレクトプラグインが表示される。ここでは「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」を選択する |
すると、"デプロイ"という語句の解説がリスト表示され、わざわざ使用しているアプリケーションを切り替えなくても意味を調べることができる |
同様に「ATOKダイレクト for はてな」でも基本的な使い方は同じ。はてなは"ソーシャル"な情報共有サービスの展開となる。「注目のはてなキーワード」「はてなキーワードサーチ」「はてなキーワード連想語」などの旬なキーワードを参照することができるようになる。流行語やインターネットなどで話題に上っているキーワードの意味をサクッと調べ、自分がこれから書く文章に引用したい。そんな時にATOKダイレクトを活用すると、手早くそしてインターネットという外部頭脳の知識を参照して文章を組み立てることが可能になるのだ。
上級者は自分で「ATOKダイレクト」プラグインを作成してみては?
ジャストシステムでは、ATOK.comの「ATOKダイレクト API」ページにてPerl 、Ruby 、Pythonを用いて独自にプラグインを作成する方法を公開している。
さらに、はてなの「ATOKダイレクト プラグイン開発グループ」にも様々な情報が公開されており、「こんな辞書やツールがあったら、もっと文章を書くのが楽しく、手早くできるのに!」といった欲求を満たすことも可能となる。「我こそは!」とお思いの方は是非チャレンジしてみて欲しい。