"妻"に焦点を当てて、その姿を公表されているデータから読み解く「妻の正体~データ編」。今回は妻が考える妻のあり方がテーマ。専業主婦か働く妻か? 妻なら一度は悩みそうなこの問題、最近は意外な傾向がみられるようだ。

今回紹介するのは、国立社会保障・人口問題研究所がこのほど発表した「第4回全国家庭動向調査」の結果。調査は5年ごとで、今回は2008年7月に全国の約1万3,000世帯を対象に実施。有効回答のうち69歳までの結婚している女性6,870人を分析した。

調査結果によると、「夫は外で働き、妻は主婦業に専念」に賛成は全体で45.0%となり、前回調査(03年)から3.9ポイント上昇。第1回調査(1993年)の53.6%から減少が続いていたが、初めて増加に転じたことになる。

年代別でもっとも割合が高いのは60代で57.2%。次は29歳以下の47.9%、30代、40代、50代では40%前後だった。前回と比べもっとも上昇幅が大きかったのは29歳以下で、12ポイントも上昇。次は30代で8ポイントの上昇、40代でも7ポイント上昇している。

「子どもが3歳くらいまでは、母親は育児に専念」でも同様の傾向が見られ、前回82.9%から85.9%に上昇している。女性の社会進出は進んでいるようにも見えるが、一方で専業主婦こそ女の道と考える女性も増えてきているようだ。

では実際のところ、専業主婦を最後まで"貫く"妻はどれくらいなのだろうか?同調査では、現実にたどりそうなライフコースについて質問。その結果、結婚や子どもの成長に関係なく働き続ける「就業継続型」は22.2%、結婚や出産を機に退職し、子どもが手を離れたあと再就業する「再就業型」は過半数の54.6%となった。結婚や出産を機に退職してからは就業しない「退職型」、つまり専業主婦を"貫く"とする妻は18.6%にとどまっている。