日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(速報、2005年平均=100)は前年同月比プラス0.4%の103.2だった。2008年12月以来、1年5カ月ぶりに前年を上回った。前月比ではプラス0.1%。6カ月連続の上昇となる。
企業物価指数は、企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数で、景気動向や金融政策の判断材料を提供する目的がある。国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されている。
中国をはじめとする新興国の景気拡大で、資源価格が上昇。「石油・石炭製品」は前年同月比でプラス30.1%、「非鉄金属」は同プラス18.0%に。工業製品以外では「スクラップ類」がプラス58.8%と大きく値上がりしている。ただ、「電気機器」などの製品価格をみると幅広い品目で下落しており、特に「情報通信機器」はマイナス7.4%と落ち込みが目立っている。
輸出物価指数(円ベース)は88.5で、前年同月比マイナス1.3%、前月比はマイナス2.2%。輸入物価指数(同)は110.0で、前年同月比プラス13.3%、前月比マイナス0.2%。契約通貨ベースでは、輸出物価指数が前年同月比プラス3.1%の100.8、輸入物価指数が同プラス18.8%の127.6となっている。