撮像素子には1/2.3型で有効1000万画素の裏面照射型CMOSセンサーを、画像エンジンには「Smooth Imaging Engine IV」を搭載する。初期設定の画質は、シャープネスとコントラストがやや高めのくっきりとした描写だ。
ISO感度は、明るさに応じて自動調整が働く「AUTO」と「AUTO-HI」のほか、「ISO100/200/400/800/1600/3200」を選べる。高感度ノイズを低減するノイズリダクション機能は「OFF/弱/強/MAX」の4段階に対応。このうち「MAX」とは、画面を分割して領域ごとに最適なノイズ処理を行ってくれる設定だ。
撮影モード:プログラムAE(F7.4、1/320秒) / 感度:ISO100 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:5.4mm |
撮影モード:絞り優先AE(F9.4、1/90秒) / 感度:ISO109 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:16.3mm |
撮影モード:プログラムAE(F3.7、1/930秒) / 感度:ISO100 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:5.4mm |
撮影モード:絞り優先AE(F4、1/1620秒) / 感度:ISO100 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:6.1mm |
さらに、どの感度からノイズリダクションを適用するかを「すべて/ISO201以上/ISO401以上/ISO801以上/ISO1601以上/ISO3200以上」の6段階から選ぶことができる。自分の好みや撮影の狙いに応じて、最適な設定を見つけるようにしたい。
撮影モード:プログラムAE(F3.5、1/100秒) / 感度:ISO100 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:4.9mm |
撮影モード:プログラムAE(F4.5、1/15秒) / 感度:ISO400 / WB:マニュアル / 画像設定:ビビッド / 焦点距離:10.5mm |
撮影モード:絞り優先AE(F4.8、1/203秒) / 感度:ISO367 / WB:屋外 / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:38.9mm |
撮影モード:絞り優先AE(F5.6、1/143秒) / 感度:ISO400 / WB:屋外 / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:52.5mm |
このように「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」は、原理的に高感度に強い裏面照射型のセンサーを採用した上で、強力なノイズリダクション機能を搭載し、高感度画質の向上を図っている。APS-Cサイズの大型センサーを搭載した従来ユニット「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」に比べてしまうと、さすがにワンランク以上見劣りするのは仕方ないが、1/2.3型という小さなセンサーの高感度としては悪くないレベルだ。
撮影モード:絞り優先AE(F5.6、1/620秒) / 感度:ISO100 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:52.5mm |
撮影モード:プログラムAE(F13.7、1/250秒) / 感度:ISO125 / WB:マルチパターンAUTO / 画像設定:スタンダード / 焦点距離:44.5mm |
今回は「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」のみを試用したが、本来はユニット交換してこそGXRのメリットが発揮される。例えば、この「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」をメモやスナップ的な撮影に使用し、画質やボケ味にこだわるシーンでは「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」に交換する、といった使い方が考えられる。
GXRのシステム全体としては、まだまだ発展途上で今後さらなるユニットの充実が必要だが、当初のアナウンス通り今回「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」が発売されたことは、着実な前進といえる。これまでなかったカメラユニットキットとしての発売も行われ、より求めやすい価格になったこともうれしいポイントだ。