米Microsoftは6月7日(現地時間)、今年秋「Windows Phone 7」の登場に合わせ、同Marketplaceとアプリ登録における新しいポリシーを公開した。従来のWindows Mobile 6.5向けのMarketplaceのポリシーをほぼ踏襲した形となるが、アプリ登録における費用に関する制限緩和など、開発者からのフィードバックを反映した内容となっている。

Marketplaceへの登録はこれまで同様、年間99ドルの費用が必要となるが、新規定では従来までの「登録数上限は5つまでで、それ以上の登録は新規に99ドルの必要になる」という制限が外れ、「有料アプリであれば無制限、無料アプリの登録は5つまで」という形になった。もし5つ以上のアプリの登録が必要であれば、追加アプリ1つごとに19.99ドルの費用が発生する。数量限定のもともとの理由は、いわゆるスパムアプリやジャンクアプリの大量登録を防ぐためのものだが、登録1回だけで1カウントされ、アプリが登録できようが審査にはねられようが、一律でカウントされるシステムに不満があったことに対処したものだと考えられる。なおDreamSparkに参加する学生らからは99ドルの登録費用は徴収せず、年間5回以上の無料アプリ登録を行ったときのみ前述の19.99ドルが課金される。

その他の運営規約については、Windows Phone 7の新機能である試供版を利用するための「Trial API」が用意されたほか、Marketplaceの名称そのものが従来の「Windows Marketplace for Mobile」から「Windows Phone Marketplace」と若干シンプルに変更された。また有料アプリの売上分配比率がデベロッパーとMicrosoftで「7:3」となることも従来どおりで、このあたりはAppleのApp Storeを非常に意識したものとなっている。

なお今回のMarketplace新規約発表にともない、Windows Phone 7のアプリ登録ポリシーに関するアップデートがWindows Phoneのデベロッパーポータルのページ公開されている。こちらもWM 6.5の時代から大きな変化はないが、内容を再確認すると次のようになる。

  • Windows Phone Marketplace以外でのアクティベーションやロック解除、アップグレードのための支払いの仕組みを禁止
  • Marketplace以外でのアプリやゲーム販売への誘導
  • 音声通話に関するアプリの制限
  • 試供版の提供においてはフル機能版や有料版のアップグレード内容を明記
  • OTA (Over the Air)でのインストールパッケージの容量制限は20MBまで。それ以上はWi-Fi経由でのみ利用可能
  • 50MB以上の追加データのダウンロードが必要となるアプリはその旨を明記
  • アプリでP2Pやコミュニケーション関連の仕組み実現のためにアカウントを作らせる場合、13歳以上の年齢制限をつけること
  • 位置情報や閲覧履歴など、個人情報を利用したアプリはオプトイン方式でユーザーにそれら情報の取得の可否を問うこと
  • 音楽コンテンツの購入を促すアプリの場合、必ずそのオプションとしてWindows Phone music Marketplaceを追加すること
  • Windows Phone 7で新規導入された「Push Notification Service (PNS)」を利用する場合、その機能のオン/オフをユーザーがオプトインで指定できること

以上がおおまかな登録アプリの制限となるが、Marketplace以外でのアプリ配布方法についての記述がないなど(例えばエンタープライズ用途で社内のアプリ配布の方法など)、今後のアップデートが待たれる内容もある。その他、アダルトコンテンツの禁止を明確にうたっているなど、これらコンテンツもApp Storeと同様のスタンスをとることになるとみられる。Windows Phone 7発売まで残すところ3~4カ月ほどとなったが、新規オープンに合わせてどれだけアプリが出揃うか楽しみだ。