米Appleは6月7日(現地時間)、サンフランシスコで開催中の開発者カンファレンスWWDC 2010において、モバイル広告ネットワーク「iAd」のサービスを7月1日に開始すると発表した。6月24日に発売される「iPhone 4」を含むiOS 4搭載端末向けにアプリ内広告を配信する。
iAdでは、ビデオ、ゲーム、広告内でのコンテンツ購入など様々な機能を広告に組み込んで配信できる。テレビ広告の表現力とオンライン広告の双方向性を兼ね備えた、これまでにない広告が可能になるとAppleはアピールしている。また従来のアプリ内広告と異なり、広告を閲覧するためにブラウザやメディアプレーヤーなどを起動する必要がなく、ユーザーがアプリ内にとどまり続けるのが特徴だ。
Appleによると、今月中にiOSデバイスの販売台数が1億台を突破する。初代iPhoneや初代iPod touchはiOS 4にアップグレードできないものの、iAdが広告を配信できる対象デバイスの潜在的な規模は大きい。すでに日産、AT&T、Best Buy、Chanel,、Citi、GE、Target、TBS、Unilever、Walt Disney StudiosなどがiAdを通じた広告キャンペーン展開に乗り出した。2010年下半期だけでiAdの売上げは6000万ドルを超える見通しだという。これは同時期の米国のモバイル広告支出のほぼ半分に相当するそうだ。iAdでは売上げの60%をアプリ開発者に配分する。