アップルは8日、スマートフォンの最新機種「iPhone 4」を発表した。ビデオ通話機能「FaceTime」を搭載したほか、高解像度液晶を搭載するなど高機能化が図られている。日本を含めた5カ国で6月24日から発売し、米国での価格は16GBモデルが199ドル、32GBモデルが299ドル。
iPhone 4は、100以上の新機能と1,500個の新しいAPIが追加された新OSを搭載した最新のスマートフォン。今回、従来はiPhone OSと呼ばれていたOSが「iOS」と改称され、最新版の「iOS 4」を搭載したスマートフォンとなる。
iPhone 4ではデザインを刷新。前面と背面にはガラス、側面にステンレスを採用し、9.3mmという薄さを実現。プラスチックの30倍堅固だというガラスは、耐指紋性撥油コーティングによって美しさを保つそうだ。
ディスプレイは3.5型960×640ピクセルのRetina(網膜)ディスプレイを採用。326ppiという高精細なディスプレイは、iPhone 3GSより4倍高解像度で、9.7型のiPadに対しても78%の解像度を実現した。網膜ディスプレイによって、高品位の印刷物並みの文字表示を可能にしており、従来よりも写真やビデオがよりシャープに、よりスムーズに、よりリアルに表示できるという。
カメラは有効画素数500万画素のAF付きカメラで、5倍のデジタルズーム、LEDフラッシュを装備。カメラは前面と背面に2つ搭載する。センサーは裏面照射型で、暗いシーンでの画質を向上させた。1280×720ドットのHD動画の撮影機能も装備し、LEDライトを使った動画撮影も可能。新たに動画編集アプリ「iMovie for iPhone」を4.99ドルで配信する。
新機能となるFaceTimeは、無線LAN経由でiPhone 4同士を接続し、ビデオ通話が行える。Skypeなどが実現していた機能だが、新たなアプリや設定が不要で、すぐに通話が行えるという。
ゲームなどのアプリ用には3軸のジャイロセンサーを搭載し、6軸のモーションセンサーをあわせて、iPhone 4を動かして多彩なゲームが楽しめる。これをアプリが利用するために、新たにCoreMotion APIも用意する。
iPad向けにリリースされていた電子書籍リーダーの「iBooks」も提供し、iBookstoreで購入した電子書籍の閲覧をサポートし、iPadで購入した書籍をそのまま読むことができる。iPadとiPhone間で、読書中の書籍の位置や書き込んだメモがワイヤレス同期される。
本体サイズは115.2(H)×58.6(W)×9.3(D)mm、137gで、HSPA/GSM、IEEE802.11b/g/n、Bluetooth、A-GPS、デジタルコンパスを搭載。3Gで最大7時間の通話、最大6時間のインターネット通信、無線LANで最大9時間の通信が可能。ビデオ再生は最大10時間、音楽再生は最大40時間、連続待受時間は最大300時間。本体カラーはホワイトとブラックの2色が用意される。
米国では、AT&Tの2年契約を前提に、16GBが199ドル、32GBが299ドルで販売される。国内では、現時点で取り扱いキャリアは公表されていないが、米国と同じ6月24日に発売される。