COMPUTEX TAIPEIの日立ブースで注目を集めていたのはフラッシュメモリ(SSD)と光学ドライブ(SDD)を組み合わせたドライブ。光学ドライブを裏返したその右端には、確かにフラッシュメモリが実装されている。展示されていたドライブ「X12BC2S」は、SSD側がSATA II接続でシーケンシャルリード175MB/sec、シーケンシャルライト60MB/sec、容量は示されていなかった。ODD側はBDコンボドライブ。

BDコンボドライブ本体の端1列にフラッシュメモリが実装されている

表面側には4つのフラッシュメモリチップを搭載。チップ自体はMicron製のようだ

スタッフによれば、光学ドライブはドライブサイズが規格化されているものの、技術的にはさらなる小型化、スリム化が可能でありその余ったスペースにSSDを取り込むことでノートブック本体のコンパクト化やスリム化といったニーズに応えることができるという。

会場には本製品を採用した製品としてASUSTeKの「N61DA」が展示されていた

現在のモデルでは2つのSATAインタフェースを用いて接続しているとされる。しかしパネル展示されていたロードマップによると、2011年の第2世代モデル(BDコンボ/ライター)ではSATAインタフェースをひとつにまとめ、SSD側のインタフェースをSATA3/USB3.0とし転送速度をリード350MB/s、ライト250MB/sに高めるとされる。その後2012年の第3世代モデルではアプリケーションマイコン? を組み込み、2013年の第4世代モデルではSSDをリード500MB/s、ライト350MB/sに高めるとしている。

SSD・ODDハイブリッドドライブの仕様。第1世代ドライブのSSDはごく一般的なスペック

ハイブリッドドライブのロードマップ。SSDの高速化、SATA3やUSB3.0への対応などが予定されているが、もう少し進歩の速度を早めても良いといった印象

もうひとつ注目されていたデバイスは6月1日に発表された2.5インチ7mm厚の薄型HDD「Zシリーズ」。同社は「7mm厚のHDDとしては業界最速、業界最大容量」をうたっている。一般的な9.7mm厚ドライブと比べスリムなぶんノートブック自体の設計の自由度が高まる。プラッタ1枚ヘッド2基構成の320GBプラッタを採用することで大容量を実現している。ラインナップにはPCコンポーネント向けの「Travelstar Z5K320」(5400rpm:8MBキャッシュ)、「Travelstar Z7K320」(7200rpm:16MBキャッシュ)、家電組み込み用の「CinemaStar Z5K320」(5400rpm:8MBキャッシュ)が用意されている。あまり見る機会の少ない7mm厚HDDだが、同社ブースでは一般的な9.7mm厚ドライブと並べて展示しており、それと比べ確かに薄く、SSDに迫る印象だ。

展示されていたCinemaStar Z5K320(写真右)。表面から見れば通常の9.7mm厚2.5型ドライブと変わらない

9.7mm厚ドライブと厚さを比べてみると一目瞭然。よりスリムなPCを実現するなかで、より大容量なドライブを求めるニーズに応える