UQコミュニケーションズは6月7日、同社のWiMAXサービス「UQ WiMAX」の提供一周年を記念して記者発表会を開催した。
発表会では、UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中孝司氏が、次期社長として就任が予定されている野坂章雄氏を紹介。野坂氏が2010年度事業プランを説明した。なお、野坂氏は6月14日に行われる株主総会で承認を得て社長に就任、田中氏は取締役会長に就任する予定だ。
UQ WiMAXサービスについて野坂氏は、「便利」「快適」「安心(料金)」の3つの価値を提供していると説明。サービスの現状での問題点として、速度、料金への満足度は高いが、エリアに関して満足度が低い点を指摘した。その現状を打破するために基地局の増強計画を発表。2010年度に8,000局を追加し計1万5,000局と当初の計画から大幅に前倒しすることを明らかにした。これにより、2010年5月現在で19万2,600人の利用者数を、今年度末までに80万加入まで増やす計画だ。
さらに、新機能を採用することで、通信速度のスピードをアップも実施。現在UQ WiMAXでは、最大下り40Mbps/上り10MbpsのIEEE 802.16eを採用しているが、現在の下り20Mbps程度の実効速度を2010年8月には30Mbpsに、2010年12月には64QAMを採用することで40Mbpsに向上させる。また、IEEE802.16mを導入し、下り最大330Mbpsを目指すことも明らかにされた。2012年の提供を目指し技術開発を開始しているという。
発表会ではこのほか、東芝、レノボ、パナソニックなど9メーカーのWiMAX搭載PC、合計37機種が紹介された。さらに、複数のメーカーから発売されるWiMAX対応Wi-Fiルーター「WiMAX Speed Wi-Fi」と総称して普及を進めていくことも明らかにした。Wi-Fiルーターの分野でも存在感を示す考えだ。
UQコミュニケーションズの今後の成長戦略についても語られた。野坂氏は「携帯電話モデルとの差別化」「オープンモデルの加速」「グローバル展開」の3つを提示。携帯電話モデルとの差別化として、データ通信専業で高速化を推進していくと説明した。続いて、オープンモデルの加速として、PC系だけでなくゲーム機やデジタルカメラといったさまざまな機器への搭載が可能となる点をアピール。グローバル展開については、世界148カ国でWiMAXを展開しているとした。