台湾PowerColor(TUL)のプライベートルームで見つけた新製品をレポートしたい。同社は今年、一般向けの展示ホールにブースは設けておらず、会議室の一室を使って商談をメインに据えたスタイルであったが、Lucidの「Hydra Engine」を搭載するモデル等、面白いグラフィックスカードが多数出品されていた。

PowerColorのプライベートルーム。南港の展示ホールとは別のフロアにある

まずはRadeon HD 5970の12画面出力モデル。HD 5870のEyefinity 6 Editionだと出力は6画面までだが、デュアルGPUのHD 5970によって、この2倍の12画面に対応させた。ただこのモデルはビジネスユーザー向けの特殊な製品ということで、コンシューマへの販売は予定していないそうだ。

12画面出力のRadeon HD 5970カード。クロックはリファレンス通り

3スロットを占有するが、Mini DisplayPortが12ポートも並ぶ

「Radeon HD5770 Sniper」は、Bigfoot Networksのネットワーク機能を統合させたグラフィックスカード。一般的な環境では、マザーボード側にも当然ながらLANポートはあるだろうが、こちらのVGA搭載LANを利用した方が高速ということで、ゲーマー向けに機能をアピールしていた。

ネットワーク機能付きの「Radeon HD5770 Sniper」

なんとここにLANポートが。なんだか違和感があるが…

左の大きなチップがネットワーク用のプロセッサ

統合されているのはBigfootの「Killer 2100」

「Radeon HD5770 Evolution」は、Lucidの「Hydra Engine」を搭載したモデルだ。Hydraを搭載したマザーボードはMSIからすでに「Big Bang-Fuzion」が発売されているが、グラフィックスカードとなるとこれが初めてだろう。

「Radeon HD5770 Evolution」。クロックはHD 5770のリファレンス通り

「Hydra Engine」チップによって、3モードのマルチGPUが可能に

特徴としては同じように、異種混合のマルチGPUが可能となっており、異なる世代のRadeon GPUであっても、NVIDIAのGPUであっても組み合わせることができる。サポートしているのは合計2枚までで、つまりこのHD5770 Evolutionのほか、もう1枚を追加してパフォーマンスを向上させることが可能だ。

Radeon HD 5770搭載モデルとしては、さらに1スロット版、ロープロファイル版も用意されていた。どちらも世界初を謳ったもので、注目を集めそうだ。両モデルとも、出荷開始は7月を予定している。

1スロット厚のRadeon HD 5770カード

ただし、裏側のメモリにはヒートシンクが乗っている

ロープロファイル版のRadeon HD 5770カード

厚さは2スロットとなる。出力端子はDVIとHDMI