台湾GIGABYTEは2日、COMPUTEX TAIPEI会場近くの同社VIPルームにおいて、プレス向けのカンファレンスを開催した。紹介されたのは、同社マザーボードに搭載される機能について。インターネット経由でオーバークロックができるという「Cloud OC」などの新機能が明らかにされた。

GIGABYTEプレスカンファレンス

USB 3.0搭載マザーボードをいち早く市場に投入し、ラインナップを拡充してきたGIGABYTE。これまでに35種類のモデルを投入し、ワールドワイドで100万枚以上がすでに出荷されたという。ラインナップは幅広く、チップセットはX58からG41まで、フォームファクタも「GA-X58A-UD9」のXL-ATXから「GA-H55N-USB3」のMini-ITXまで揃える。

同社はUSB 3.0に力を入れてきた。すでに多くのモデルで搭載

まだ普及途上であるが、USB 3.0のデバイスも増えてきている

USBでは、同社は独自に規格を拡張して、3倍のバスパワーを実現している。同社のテストでは、iPhoneの充電時、通常だと規格通りの500mA以下にしかならないが、GIGABYTEのマザーボードだと640mA流れており、早く充電を完了することができる。またiPadの充電も可能で、このときは1.73Aもの電流が流れていたそうだ。

同社によるテスト。iPadの充電にも対応する

ハードウェア技術により、バスパワーを向上している

幅広の電力ラインで抵抗を削減、高品質フューズの採用でインピーダンスを低減。こういった技術などによって、バスパワーの向上を可能とした。また最近の同社マザーボードには、PCの電源がオフでも電力を供給できる"On/Off Charge"機能も搭載され始めている。

マザーボードの基板上に特別なUSBコネクタを用意。電源オフでも充電できる

USB 3.0のほか、もう1つアピールされていたのはオーバークロック性能。CPUのオーバークロック時には通常よりも消費電力が大きくなるため、マザーボードの電源まわりの性能も重要となってくるが、同社はこのアピールとして、CPU側になんと1,500Wを供給したというビデオを紹介していた。

まずは1,200Wに挑戦。この時点ですでに尋常ではない

電源ユニットは2つ使用したとのこと

350Aが2個、電圧は1.77Vで1,200Wを達成

次は1,300Wに。電圧を1.88Vに上げている

さらに電圧を2Vに上げて1,400W

そして最後は2.15Vでついに1,500Wを達成

しかし「よい子は真似しちゃダメ」というオチ

これを可能にしているのが同社の24フェーズ電源

動作の説明。高負荷時には24フェーズが動作して…

軽いときは半分の12フェーズで。もし片方が故障しても動作可能

さて新機能についてであるが、まず紹介されたのは「HotKey OC」。ベースクロック、倍率、電圧などのプロファイルを最大4つまで設定することが可能で、キーボードのショートカットによって、これを簡単に切り替えられるというもの。この機能を活用することで、3DMark06のスコアが最大840向上したという。この機能は全マザーボードで利用可能になるとのこと。

「HotKey OC」の説明。キーボードでOC設定を変更可能というもの

設定画面。最大4つのプロファイルを切り替えることができる

そして注目なのが「Cloud OC」。インターネット経由でのOC設定を実現したもので、WEBブラウザさえ備えていれば、どのような端末からでもアクセスすることができるという。デモではiPadを使用してオーバークロックする様子が紹介されていた。同社スタッフからは「お風呂場からでもOCが可能」という発言も出ていたが、自宅内でちょっと試すには便利そうだ。

「Cloud OC」の説明。"クラウド"とは言っても、ちょっと意味は違うようだ

デモでは、iPadを使ってオーバークロックを試していた

ブラウザのユーザーインタフェースでOC設定を変更

するとベースクロックが200MHzから240MHzに

端末のブラウザからは、各種パラメータ設定のほか…

ステータスの確認や、電源のオン/オフも可能となっている