台湾VIA Technologiesは開催中のCOMPUTEX TAIPEIにおいて、最大4ポートをサポートするUSB 3.0ホストコントローラ「VL800」を公開した。4ポートというのは世界初だという。またCPUでは、デュアルコア版「Nano」の動作デモが初めて紹介されている。

「VL800」の動作デモ。USB 3.0を4ポートまでサポートする

USB 3.0の製品シリーズ。ハブコントローラやブリッジチップも

現在市場に出回っているマザーボードでは、USB 3.0のホストコントローラとしては、一般的にNECエレクトロニクス(現ルネサス エレクトロニクス)製の「μPD720200」が使われている。しかしサポートするのは2ポートまでであるため、ほとんどのマザーボードではUSB 3.0ポートは2つまでとなっていた(中にはASRockの「890FX Deluxe3」のように、μPD720200を2個搭載して4ポートに対応させた製品もあった)。

VIAのVL800では、これを4ポートまでサポートする。インタフェースとしてUSB 3.0はまだ普及途上であり、現状では2ポートでもそれほど困ることはないだろうが、今後VL800を搭載するマザーボードが出てくれば、4ポートを備える製品も増えそうだ。VL800のほか、2ポート版の「VL801」もラインナップされている。

同社ブースでは、VL800を搭載したデモボードが披露されていた。このボードはPCI Express x1の拡張カードになっており、ブラケット側にUSB 3.0を4ポート装備。ベンチマーク結果などはなく、実際のパフォーマンスについては不明だが、システムとして動作していた。VL800は現在サンプル出荷中となっており、量産は今年第3四半期より開始される見込み。

USB 3.0のデモボード。USB 3.0ポートを4つ備えている

VL800/VL801のスペック。サポートするポート数が異なる

CPUでは、ついにデュアルコア版のNanoが姿を現した。ブースにおいて、動作デモが披露されていたもので、説明員によると、搭載されているCPUの動作クロックは1.2GHz。65nmプロセスで製造されており、TDPは13~14W、パッケージは従来と同じNanoBGA2となっている。

デュアルコアNanoを搭載したデモボード。実際に動作している

同じように見えるが、右のヒートシンクがCPU、左がチップセット

量産は2011年第1四半期に開始する計画。65nmという製造プロセスは現在のシングルコア版と同じであるが、量産時にはTSMCの40nmプロセスを採用する予定だという。

デュアルコア版のプラットフォーム。公開されていたデータはこれだけ

秋葉原の店頭などでは、すっかりAtomに駆逐されてしまったVIA製Mini-ITXマザーボードであるが、デュアルコアの投入で巻き返しなるか。ユーザーにとっては、性能だけではなく、価格も重要となってくるため、現状では太刀打ちするのは難しいように感じるが、今しばらくはVIAにも注目したいところだ。