経済産業省は31日、4月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は96.0(季節調整済み)で、前月比1.3%の上昇となった。2カ月連続の上昇。前年同月比では25.9%の上昇。出荷、在庫、在庫率の各指数も上昇している。基調判断は「持ち直しの動きで推移している」のまま。

鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。4月の鉱工業生産指数を押し上げたのは、業種別では一般機械工業、金属製品工業、その他工業等だった。低下したのは、情報通信機械工業、電気機械工業、鉄鋼業等。品目別では、半導体製造装置、アクティブ型液晶素子(大型)、アクティブ型液晶素子(中・小型)の順に上昇に寄与した。

出荷指数は前月比1.6%のプラスで98.2(前年同月比は27.3%上昇)で、こちらも2カ月連続の上昇。上昇に寄与した業種は、一般機械工業、電子部品・デバイス工業、金属製品工業等だった。

一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比0.3%プラスの94.3で2カ月ぶりの上昇。前年同月比では3.7%の低下。在庫の上昇に寄与した業種は石油・石炭製品工業、鉄鋼業、化学工業等だった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比0.6%プラスの102.9で、2カ月ぶりの上昇(前年同月比は26.7%の低下)だった。

同時に発表した製造工業生産予測調査では、5月は前月比0.4%の上昇、6月は同0.3%の上昇を予測している。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値