大学などの教育機関でのiPad配布が話題となっているが、ビジネス現場でもさまざまな場面で同プラットフォームの活用が検討されている。独Daimler AGのMercedes-Benzが、米国内販売店で40台のiPadを導入し、ディーラーらが利用する見積もりアプリケーションを利用できるシステムを構築したことが大きな話題となっている。
同件を報じているのは米BenzInsiderなど複数のメディア。米Wall Street Journalの25日(現地時間)の報道によれば、iPad上にMB Advantageと呼ばれるアプリケーションを導入し、ここからMercedes-Benz販売店向けの見積もりアプリケーションへのアクセスが可能になっているという。
通常の場合、ディーラー奥のパーティション内にある商談スペースでオプション設定や割引価格の交渉、保険など、見積価格の計算と提示を行ったりする。一方iPadの場合車のすぐそばでリアルタイムに見積もりを行うことが可能になり、顧客の要求を素早く反映してより効果的な提案が行えるようになるメリットがあるという。Mercedes-Benzのマーケティング担当バイスプレジデントAndreas Hinrichs氏は、WSJのインタビューに「モバイル革命を販売店に持ち込みたかった。iPadはコンシューマ中心の製品だが、同時にビジネス活用も可能だと考えている」とその動機を語っている。
なお、今回紹介したMercedes-Benzだが、同系列でローンを取り扱うMB Financialではモバイルソリューションを積極的に導入していることでも知られており、例えばiPhone / iPad用の「MBF Account」というアプリをApp Store経由で提供している。MBFアカウントを持っているユーザーはここにログインすることで支払い状況の確認や最新情報、ディーラー情報などを逐次確認できるなどのサービスが用意されている。iPhoneでなくても、スマートフォンなどのモバイル端末で同サイトにアクセスすることで、モバイル用にカスタマイズされたデザインで表示されるようになっている。