GoogleはVP8コーデックをオープンソース化する一方で、Flashのサポートも改めて明言している。これに呼応するかのように、OperaとNokiaの2社の幹部がFlashサポートについて言及し、Flash排除を声高に叫ぶAppleら企業を牽制しつつある。

この2社によるFlashサポート発言は、27日(欧州時間)にロンドンで開催されたOpen Mobile Summitでのものだ。同件を報じた英Reutersによれば、Opera共同創業者のJon von Tetzchner氏はこれまでもFlashサポートを行ってきたことをアピールするとともに「われわれがサポートするWeb技術で唯一のプロプライエタリなものだ」とコメントしたという。これに合わせる形でNokiaのソリューションビジネス部門チーフのAlberto Torres氏もFlashサポートを表明している。

これら一連の発言は、米Apple CEO Steve Jobs氏のFlashに関する一連の発言を受けてのものなのは明らかだ。同氏は1月末のiPad発表直後、社内向けミーティングで「Flashはバグだらけであり、Macのクラッシュ原因のほとんどはFlashによるもの」と同技術を酷評したとされる。その一方で"オープン"な技術としてHTML5をプッシュし、「そのうちFlashはHTML5にとって代わられる」とFlashをサポートしない理由を挙げたという。その後、同氏の発言に端を発して騒ぎが大きくなり、iPhone OSの新版で事実上Flashを含むサードパーティ製開発ツールを締め出す新規約を発表したことを受け、Jobs氏は改めてFlashをサポートしない6つの理由を声明として公表している

それぞれのベンダーの本心がどうであれ、Flashをきっかけに陣営が真っ二つに割れたことが見て取れるのが興味深い。もっとも、この争いは「Apple vs. それ以外のベンダーすべて」という組み合わせなのだが……。