米Symantecは5月27日(現地時間)、「Norton Everywhere」戦略を発表した。これは従来までPC中心だったITセキュリティをスマートフォンなどのモバイルデバイスやインターネットベースの汎用アプリケーションにまで広げるもので、戦略の第1弾として「Norton Smartphone Security for Android」「Norton Connect」「Norton DNS」の3つのソフトウェア/サービスのベータ版が6月より提供される。

Norton Mobile

Symantecのモバイルデバイス向けソリューション。「Norton Smartphone Security for Android」「Norton Connect」の2つの製品が含まれる。Norton Smartphone Security for Androidはその名の通りAndroid向けのNorton Securityで、従来のマルウェア防御だけでなく、受信ブロックやリモートワイプ/ロックなどの携帯ならではのセキュリティ対策が加えられている。またSymantecは同日にHTCのパートナープログラム「HTC MobilityNow」への参加を表明しており、Androidに加えWindows Mobileでのセキュリティ対策強化に向けて協力していくという。

もう1つのNorton Connectは、オンラインストレージへのモバイルコネクタとなる。例えばNorton Online BackupやNorton 360などでオンラインにアーカイブされたファイルに対して、iPhone、iPad、Androidといったデバイスからアクセスする手段を提供する。両プラットフォームともにApp StoreまたはAndroid Marketからのダウンロードが可能になるという。

Norton DNS

Webプロキシあるいはゲートウェイとして動作する、Nortonシリーズの名称を冠した新サービス。6月のサービス開始時点で「http://www.nortondns.com/」のURLにアクセスすると、ユーザーはコンパクトなサイズのコネクタ・アプリケーションのダウンロードが可能となる。このコネクタソフトを介してNorton DNSのゲートウェイに接続、ここを介してインターネットアクセスを行うことで、Norton Internet Securityで提供されるようなアンチウイルス機能やアンチスパム、アンチフィッシング、Webフィルタリングなど、各種の機能がまとめて提供され、より高速なアクセスが可能になるという。近年、特にユーザーが動作の重いセキュリティ対策ソフトを嫌う傾向にあるため、これら機能をクラウド化してサービスとして提供するのが狙いとみられる。

Norton DNSの特徴はWebゲートウェイとして機能することで、PCやスマートフォンなどデバイスの種類を問わずサービスが利用できる点にある。SymantecによればAndroid用のコネクタアプリの提供も6月に行われるということで、サービス開始時よりAndroid Marketからのダウンロードが可能となる。なお、"DNS"という名称は「Domain Name System」からきている。