2008年に公開されるやいなや、またたく間に全世界で興行成績5億8,500万ドル(600億円)以上の驚異的メガヒットを記録した『アイアンマン』。日本でもその痛快な面白さと主人公トニー・スタークのナイスキャラが話題を呼びファンが急増! また本誌読者なら、ついうれしくなってしまう凝りに凝ったメカニック描写も注目を浴び、ガジェット好きやガンダム、エヴァなどパワード・スーツ好きの心も鷲づかみにしてくれた前作。そしてついに、全ての魅力を格段にヒートアップさせた最新作『アイアンマン2』がいよいよ日本上陸! 型破りなリアル・ヒーローが再び私たちの元に帰って来る─!!
さて、今回の『アイアンマン2』で物語を牽引するのに大きな役割を果たすのが、主人公トニー・スタークと、トニーの前に新たに現れる2人のキャラクター、ミッキー・ローク演じる最強の敵"ウィップラッシュ"、そしてスカーレット・ヨハンソン扮する謎の美女"ブラック・ウィドー"です。「『アイアンマン2』完全攻略!~前編~」ではこの豪華で強力なキャラクター3人にスポットを当て、魅力と見どころをしっかりご紹介します!
前作を見てない人も大丈夫! もう一度おさらい
軍需産業のスターク・インダストリー社の社長でもある天才発明家トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、開発中であった新型兵器の実験中にテロリストの襲撃に遭い拉致され、自社製品がテロリストに悪用されていた衝撃の事実を知ってしまう。九死に一生を得る中、自らの手でハイテクのパワード・スーツを造り、"アイアンマン"となり、自らの罪をつぐなうためにテロリストを始めとする悪に戦いを挑む。
繊細な一面も持つ精力的なカリスマ"トニー・スターク"
まず主役である社長兼天才的発明家のトニー・スタークは、ジャンクフードと女好きの上、自己中で凝り性だが、実は情に厚く、本命の女性にはなかなかアプローチできないなど等身大の憎めない魅力に溢れている─。トニーを演じるのは前作に引き続きロバート・ダウニー・Jr.。日本でも大ヒットとなった『シャーロック・ホームズ』での活躍も記憶に新しい彼ですが、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008年)、『路上のソリスト』(2009年)など、コミカルな役からシリアスな役まで様々なキャラクターをこなす人気・演技力共に兼ね備えた実力派の俳優さんですね。
前作でも自分の作った兵器がテロリストに使われているのを知り、ひとり葛藤するシーンがありますが、本作でもトニーは実に様々な葛藤を抱えることになります。パワード・スーツのエネルギー源である胸のリアクターが毒素を出し、「アイアンマン」であることが彼に生命の危機をもたらしてしまうのです。自分の危機とヒーローであり続けるということ、秘書ペッパーには追い詰められる状況を告白できず、ひとり自暴自棄になったりと、トニーのナイーブで等身大の姿が浮き彫りとなっています。
また、偉大だった父親に愛されなかったことに、トニーが複雑な気持ちを持ち続け、自問し続ける親子関係も描かれています。前作でトニーが語った「父にさよならを言えなかった。答えて欲しいことがあったのに」の理由と答えがまさに、本作では語られています! 父は何をトニーに伝えたかったのか? 何をトニーに託したかったのか? 今回もトニーから目が離せません!
最凶の悪役"ウィップラッシュ"
本作でトニーの前に立ちはだかる強敵が、アイヴァン・ヴァンコという体中に刺青を施した屈強なロシアの危険人物。トニーに深い復讐心を持つアイヴァンは実は物理学者でもあり、トニー同様にリアクターの製造に成功、そのパワーを使い、史上最凶の敵"ウィップラッシュ"となった彼は憎悪の的であるトニーに襲いかかるのです。
しかし悪役である"ウィップラッシュ"には、なぜか悲哀が漂っています。悲しい過去を持つ彼が抱える心の闇が、実はトニーが抱える心の傷へとリンクしているのですが、一体この二人の関係とは…? F1モナコグランプリに出場したトニーの前に"ウィップラッシュ"が現れるシーンはこの上なくドラマチックで、最強にクール!! これは見逃せないシーンです!!
そして、この"ウィップラッシュ"をまさに怪演しているのが『レスラー』(2009年)で絶賛を浴び、アカデミー賞主演男優賞ノミネートをはじめとする数々の賞を総なめにしたミッキー・ローク。彼は"ウィップラッシュ"を演じるために実際にロシアで生活し、刑務所でも過ごしてみたというから力の入れ具合がハンパじゃないのが分かります。さらにロシア語の台詞に毎日3時間、週に6日間を費やしただけでなく、約20kgもある"ウィップラッシュ"の武器を背負っての演技で体力がもつようにと、7週間ほどトレーニングを行い役作りに励んだのだとか。
そんな徹底した役作りがキャラに強烈な個性と深みを与えていることは、本作における"ウィップラッシュ"を観れば一目瞭然。ひとクセどころか、クセありまくりのとんでもない強敵として、その魅力が、スクリーンからもひしひしと伝わってきます。
謎の美女"ブラック・ウィドー"
そしてもう一人、本作に文字通り目を離せない強烈なキャラクターが登場します! それがトニーの前に突如現れた美女…ナタリー・ラッシュマンと名乗る秘密めいた女。実はレザーのボディスーツに身を包み、マーシャルアーツを巧みに操り語学にも長けたとてもフツーではない特殊な能力を発揮する彼女こそが"ブラック・ウィドー"です。一体何者なのか!? そして何が目的でトニーの前に現れたのか─?
この謎の美女"ブラック・ウィドー"を演じるのは『ロスト・イン・トランスレーション』(2004年)や『それでも恋するバルセロナ』(2009年)などでも女性らしい魅力を発揮し、世界で最もセクシーな女優にも選ばれたご存知、スカーレット・ヨハンソンです! 彼女もこの役が欲しくて髪を染めてオーディションを受け、厳しいトレーニングで体を絞り臨んだということで、本作では、初めてのアクションとは思えない美しく華麗なファイティング・シーンを披露、CGかと想うほどその完成された彼女のプロポーション、ハマリ役といえるキャラの性格など、今までにない魅力を存分に堪能できること間違いナシ! です。
しかも新たな女性の登場で、トニーとその秘書ペッパーは微妙な雰囲気? このあたりの微妙な恋模様にも注目です。まあ、色々語っても、セクシーでゴージャス、さらにミステリアスでメチャ強い"ブラック・ウィドー"に、トニーのみならず、男性観客の視線は釘づけ!? です!
また、『オーシャンズ』シリーズやアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『ホテル・ルワンダ』のドン・チードルがトニーの友人でもある軍人ローディ役を好演。そしてトニー・スタークと対立する武器商人ハマー役に『チャーリーズ・エンジェル』『グリーン・マイル』で個性的な役柄を見事にこなした演技派俳優サム・ロックウェル、更には前作のラストに登場したサミュエル・L・ジャクソンも前作同様、謎多きニック・フューリー役で出演しています。映画ファンなら必見ですね。
もちろん、前作でいきなり日本男性の"萌え心"に火をつけ虜にしたトニーの秘書ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)をはじめ、お気楽キャラが魅力なお抱え運転手のハロルド(監督ジョン・ファヴロー・驚!)、そして全国のDIY系オタクに羨望の的となったトニーの一番助手でもある"不器用ロボット・アーム君"など、お馴染みのキャラクターも続々と登場します。前作を楽しく観た人も、今作で初めて『アイアンマン』デビューする人も、あっという間の時間が過ぎてしまいますよ!
トニーのライバル会社の社長、ジャスティン・ハマー。アメリカ政府に取り入り、軍事産業界のトップになろうとあの手この手を使い画策 |
トニーの親友である空軍中佐のローディ。破天荒なトニーにはいつも振り回されてばかり…!? |
前作に引き続き、トニーの頼れる秘書ペッパー・ポッツにはグウィネス・パルトロウが続投。本作では意外な重要ポストに!? |
実は一番勇気がある!? 前作に引き続き、お抱え運転手のハロルドも健在。実は前作・今作の監督 |
読者の中には、映画はもっぱらブルーレイやDVDで自宅で……という人もいるかもしれませんが、これはもう劇場の大スクリーンで観なければ損するだろうと思われる数少ない1本です!!
次回、「『アイアンマン2』完全攻略~後編~」は、それぞれのキャストたちが織りなす本編の魅力にグっと迫ります。乞うご期待!!
『アイアンマン2』は、6月11日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほかで全国ロードショー。
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