ソニーの「ウォークマン」の最新モデルとして、ヘッドホン一体型のコンパクトなWシリーズの新モデルが登場した。従来通り、イヤホンを重ねると、ケーブルがハート型になる独特のスタイルで、オシャレに気軽に持ち歩き、いつでもお供してくれる製品に仕上がっている。
ウォークマンWシリーズ「NWD-W253」。左は標準のブラックモデル。右はソニースタイル限定のスカル迷彩柄。コナミのゲーム「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」とのコラボレーションモデル |
コンパクトで簡単に音楽を聴ける
ウォークマンWシリーズの新製品である「NWD-W253」は、メモリタイプの携帯型音楽プレイヤーで、インナーイヤータイプのヘッドホンに本体が内蔵されており、耳に差し込んでおくだけでぴったりフィットする軽量コンパクトなボディが売りだ。重さも約43gと軽量なので、つけていてもそれほど気にならない。
装着感はよく、動いても外れにくい。ケーブルが垂れ下がることもなく、どんな動きにもじゃまにならないのは大きなメリットだ。
操作ボタンはほぼ右耳側に集約され、再生・一時停止ボタンはジョグレバー型で、倒すと早送り、巻き戻しになり、長押しするとフォルダ(アルバム)単位で移動できる。その横にはボリュームボタンが配置される。左耳には、シャッフルボタンがあり、内蔵曲をランダムに再生する。
ボタンは小さいが、見なくても感触で分かるようなデザインで、ボタン配置に慣れれば違和感なく使えそう。音楽をノンストップで流しっぱなしにする、という場合なら特に問題はないだろう。
ヘッドホンの側面には磁石があり、これをつなげるだけで電源がオフになる。耳から外したらそのまま付けて収納すればいい |
付けるとハート型になるのは面白いデザイン。クレードルはその形のまま設置できるようになっている。充電時間は約3分で90分、90分で11時間の再生が可能。PCにケーブルを接続していれば、そのまま楽曲転送にも使える |
さらにおもしろい機能としては、ダイジェスト再生機能「ZAPPIN」機能を搭載する。これは、曲の盛り上がりを自動で検出し、その部分だけを再生する、というものだ。出だしだけでイメージがつかない場合も、盛り上がりの部分を再生してくれるので、好きな曲を探しやすくなる。自動で連続再生されるので、いちいちジョグレバーを操作しなくても、連続で曲が流れる。
ジョグレバーを長押しすることでZAPPIN機能がオンになり、希望の曲が流れたら、ジョグレバーを押し込むことで、その曲が頭出し再生される。ZAPPINで再生されるのは4秒か15秒から選べ、ZAPPIN中にジョグレバー長押しで交互に切り替わる仕組みだ。曲を検索するときだけでなく、気分を盛り上げたいときに、盛り上がる部分だけを連続して聞く、という使い方もおもしろそうだ。
ヘッドホンは、インナーイヤーの形状を工夫することで、従来の9mmドライバーユニットから13.5mmと大口径化。より広帯域の再生と広ダイナミックレンジを実現したという。
フィットネスに最適なプレイヤー
ウォークマンWをPCに接続すると、USBマスストレージクラスとして認識されるので、楽曲の入ったフォルダや曲を、「MUSIC」フォルダにコピーするだけで、楽曲が保存できる。
ソフトでの楽曲管理をしたい場合は、本体内にインストーラーが付属するソニーの「x-アプリ」を使う方法もあるし、Windows Media Playerでも同様に管理できるので、好みの方法を使うといいだろう。
メモリ容量は4GBで、所有している楽曲を全部転送するというよりは、その日の気分などに応じて、転送する曲を入れ替えるという方がいいだろう。画面がないNWD-W253は、ZAPPINで好きな曲を素早く探し出せる程度の曲数に抑える方が使いやすいだろう。
そうした限られた曲数で、特にNWD-W253を便利に使えるシーンがスポーツだ。ランニングやウォーキング、ヨガ、フィットネスなど、一定時間を使うワークアウトに持ち出し、好きな音楽を聴きながら運動する、というのがいい。
そういうシーンであれば、長くても2~3時間程度の楽曲があれば間に合うことも多いだろうし、その時々の運動強度によって曲を入れ替えるといった使い方が良さそう。
運動時には、耳にかけるだけで邪魔にならないNWD-W253のボディが有効だ。ケーブルが邪魔になることもなく、ランニングぐらいなら落ちる不安もない。
さらに、NWD-W253はJIS保護等級の「IPX5」相当の防水性能を備えているのも重要なポイントだ。IPX5相当というと、大量の水をかぶっても故障しないレベルで、運動中の汗や雨を気にすることなく、音楽を楽しめる。
防水機能を生かして、水道水による水洗いも可能なので、汗や汚れもすぐに水に流して清潔な状態を保てる。石けんやシャンプーの付着や浸水まではサポートしていないが、風呂で湯船につかりながら音楽を聴くといった用途にも十分使えるだろう。
ソニーのサイトでは、フィットネスアプリケーション「way」とコラボレーションしたスペシャルフィットネスプログラムも提供している。ウォーキング/ランニングとヨガを組み合わせたプログラムのコーチングビデオが公開されており、さらにプログラムにあわせて20分または30分の楽曲もダウンロード提供しているので、これを活用するのもおすすめだ。
いつでも音楽を
携帯型の音楽プレイヤーは、いつでもどこでも持ち歩き、音楽を聴くことができるのがメリットだ。メモリタイプが普及し、激しい動きにも対応できるようになっている。しかし、通常の音楽プレイヤーだと、動きを邪魔するヘッドホンのコード、どこに収納していいか分からないボディと、なかなか運動の最中に使うのが難しかった。
アームバンドもあるが、ヘッドホンがネックになるし、ワイヤレスのヘッドホンもあるが、結局本体とヘッドホンが必要ならば、一体型のウォークマンWの方が軽快に装着して、すぐに聴き始めて運動を開始できていい。
防水機能を備えているので、どこにでも持ち出せる気楽さもいい。風呂に入りながら音楽も聴けるし、汗や雨にも強いので、運動中も気にせずに使える。スポーツが好きな人、しかも常に音楽を聴きたい、という人に最適なプレイヤーだ。