シチズン時計は19日、創立80周年を記念し、「BASELWORLD 2010」で発表したコンセプトモデルや、5月28日から販売を開始する創立80周年記念モデルなどについてプレス向けに説明するプレスプレゼンテーションを、同社の「CITIZEN DESIGN STUDIO」で行った。

プレスプレゼンテーションの冒頭であいさつする、シチズン時計代表取締役社長の永井庸夫氏

シチズンは、1930年5月28日に創立。創立80周年となる今年の5月28日から、創立80周年記念モデルを順次販売開始する。19日に開かれたプレスプレゼンテーションではまず、同社代表取締役社長の永井庸夫氏があいさつ。時代の流れに柔軟に対応できる企業として、「シチズン・ニューフロンティア」というスローガンを掲げ、長期的な価値作りを目指していると説明した。

価値作りとは、「シチズンならではの商品を提供すること」とし、2008年の「CITIZEN DESIGN STUDIO」(※)の開設やSeries 8を発売、2009年からBASELWORLDのシチズンブースを一新したことなどを説明した。

※ 「CITIZEN DESIGN STUDIO」は、顧客に満足してもらえる新しいデザインの創出をめざし、2008年6月、東京・原宿の表参道に設立された。

また、永井社長は、同社の「Eco-Drive」について、「売上の80%以上を占めるまで成長した」とし、2009年のBASELWORLDでEco-Driveを核としたコンセプトモデルを発表したことについても述べた。

さらに、2009年のBASELWORLDで発表したコンセプトモデルを今回、『Eco-Drive DOME』として商品化したことを挙げ、「シチズンは今後も挑戦し続けることで、シチズンも持つ可能性を世界に発信していく」と決意を表明した。Eco-Drive DOMEについて同社では、「たった1年で製品化にこぎつけたこと、かつ価格帯もユーザーフレンドリーなものになったことで、メディアの反響も大きかった」「社内でのモチベーションもあがった」としており、同社内外に大きな影響を与えた製品となっている。

創立80周年記念モデルの一つ「Eco-Drive DOME」

永井社長のあいさつの後は、「BASELWORLD 2010」で発表された二つのコンセプトモデルと創立80周年記念モデルの一つ「Eco-Drive DOME」、「『ザ・シチズン』80周年記念モデル」の担当者から、それぞれのデザインなどについて説明があった。

「BASELWORLD 2010」で発表された二つのコンセプトモデルのうちの一つ、『Eco-Drive EYES』については、同社マーケティング本部 デザインセンターの漆崎和平氏がデザインを担当。漆崎氏は「Eco-Drive EYES」について、「頭で理解するより、心で感じることのできる時計」を目指したという。学生のころから神社仏閣を探訪するのが好きだったという漆崎氏は、Eco-Drive EYESで、「光に対する日本の美意識を取り入れ、影によって日本らしい柔らかな光を感じさせる」ことを企図。光によって、真っ白な世界に影が落ち、影によって光を感じさせるデザインとした。

『Eco-Drive EYES』について、漆崎氏は、「光に対する日本の美意識を取り入れ、影によって日本らしい柔らかな光を感じさせる」ことを企図したと説明した

「BASELWORLD 2010」で発表された二つのコンセプトモデルのうちの一方、『Eco-Drive LOOP』は、同社マーケティング本部 デザインセンターの吉田麻里恵氏がデザインを担当。イメージソースとして、「天体への個人的な興味」「エネルギーの循環」などを挙げた。43個のダイヤを、金環食のようなイメージですきまなく敷き詰め、「よりきれいにダイヤが輝くようにした」のが特徴となっている。

『Eco-Drive LOOP』ダミー展開

創立80周年記念モデルの一つ「Eco-Drive DOME」に関しては、同社マーケティング本部 デザインセンターの御園昭二氏が担当。シチズンのブランドパーソナリティである「知性」「情熱」「革新」を、それぞれに合致させた「白と黒と透明感」「地球とエネルギー」「日本」というキーワードで、「Eco-Drive DOME」において表現したという。

「白と黒と透明感」では、ケースカラーに採用した白では、オリジナル塗装を開発。剥離しないための新しい技術開発を進め、「他に類を見ない、ホワイトパール塗装が完成した」(御園氏)。もう一方のケースカラーである黒も、「3人のマイスターによる、同じものは二つとない」ものに仕上がったという。

『ザ・シチズン』80周年記念モデル

最後に、創立80周年記念モデルの一つ「ザ・シチズン」については、同社第一商品企画部の前原浩文氏が説明。「ザ・シチズン」で機械式時計を商品化する意義として、「より信頼を高めるため」「よりよい商品のため」「時計ファンを増やすやめ」と説明。多くのユーザーに使ってもらうためにデザインにおいて使いやすいサイズにしたことや、普遍的なスタイリングを追求、仕上げと品質を追求したことなどを話した。

『アテッサ』80周年記念モデル

プレスプレゼンテーションの会場となった「CITIZEN DESIGN STUDIO」では、BASELWORLD 2010」で発表された二つのコンセプトモデルと創立80周年記念モデルである「Eco-Drive DOME」「ザ・シチズン」のほか、「『アテッサ』80周年記念モデル」(6月19日発売)、「『エクシード』80周年記念モデル」(6月26日発売)、「『クロスシー』80周年記念モデル」(6月12日発売)も展示されていた。

『エクシード』80周年記念モデル

『クロスシー』80周年記念モデル