4月のスーパー、百貨店、コンビニエンスストアの4月の売り上げが出そろった。消費者の低価格志向が続くなか天候不順の影響もあり、いずれも厳しい状況にあるが、百貨店では高額商品や食料品など一部に動きもみられる。外国人観光客による売上増に期待も高まっているようだ。
日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア11社の4月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比3.7%減の5,877億円で、11カ月連続の前年割れ。同協会「曇りや雨の日が多く全国的に日照時間が少なかった」と天候不順を売上不振の理由に挙げている。来店客数は、既存店ベースでは10億4,410万人で前年同月比1.8%減(10カ月連続マイナス)、全店ベースでも11億1,723万人で同0.5%減となり、4カ月ぶりのマイナスとなった。客単価も562.9円(既存店ベース)で同1.9%減(17カ月連続マイナス)と落ち込んでいる。商品別(全店ベース)では、菓子やソフトドリンクなどの「加工食品」が4.5%減、弁当やパンなどの「日配食品」が2.6%減となる一方、「非食品」は0.5%増だった。商品構成比は5.0%と小さいが「サービス」は13.3%増と伸びている。
スーパーも消費者の低価格指向に加え、季節外れの雪に見舞われるなどした天候不順が響いて苦戦。4月の売上高は1兆93億円、前年同月比4.9%減(店舗調整後)で、マイナス幅は縮小したものの、17カ月連続の前年割れとなった。主力の食料品は4.5%減。衣料品は「全国的に顕著な低温となったことからジャケットなどの羽織物は良かったが、初夏物商品の動きが鈍く」(同協会)7.9%減の落ち込みとなった。日用雑貨品や家具・家電などを含む「住関品」は4.2%減、サービスは2.0%減だった。
百貨店業界でも、春物や初夏物のプロパー商材が苦戦するなど天候不順の影響が響き、4月の全国百貨店売上高は4,846億円(前年比3.7%減)だった。26カ月連続のマイナスだが、宝飾品や輸入雑貨などの高級品の富裕層による購入は活性化。また、地方物産展や菓子類の売り上げが好調なことで、「食料品」が15カ月ぶりにプラスに転じるなど、回復の兆しもみられる。売上高の前年比での減少率は昨年12月以降5カ月連続で1ケタ台に収まっている。
商品別では「食品」が15カ月ぶりのプラス(前年比0.6%増)となったほか、「サービス」も13カ月ぶりのプラス(前年比1.7%増)に。「商品券」も前年比11.2%増と好調だった(6カ月連続プラス)。衣料品は前年比7.5%のマイナス(34カ月連続マイナス)。同協会ではまた、「急伸基調にある外国人売上が前年比4割増しで推移していることなどのプラス要素が報告されている」としており、中国人をはじめとする外国人観光客への売上増加に期待が高まっているようだ。