ついに公開初日を迎えた『プランゼット』

世界初の全編CGによる特撮怪獣映画『惑星大怪獣ネガドン』で知られる粟津順監督の最新作となる『プランゼット』が5月22日に公開初日を迎え、その初日舞台挨拶が東京・池袋の池袋テアトルダイヤにて開催された。

『プランゼット』は、CGでありながら、古き良き特撮映画へのオマージュをちりばめた前作『惑星大怪獣ネガドン』の"新時代特撮"を、さらに自ら進化させた作品で、2053年を舞台に人類の危機が描き出される。制作は監督自らがコミックス・ウェーブ・フィルム内にチームを立ち上げ、さらにCG制作では定評の高い白組をはじめとしたスタジオが協力参画。リアルな世界観を描くためにマットペイントを起用するなど、粟津監督ならではといえる作品に仕上がっている。

池袋テアトルダイヤで開催された初日舞台挨拶には、粟津順監督のほか、主人公・明嶋大志役の宮野真守と、その妹・明嶋こよみ役の石原夏織の3人が、満員の観客の前に登場。まずは公開初日を迎えた気持ちについて石原が、「初日を迎え、こんなにたくさんの人に観ていただけて、本当にうれしいです」と喜びを表すと、宮野も感謝の意を述べつつ「皆さんの率直な感想を早く聞きたいと思っています」と語る。

(写真左から)粟津順監督、宮野真守、石原夏織

粟津監督が、「宮野さんは、声に優しさと強さがあり、石原さんは、元気な中にもちょっとはかなげな部分があって、そこが良かった」と2人の演技について語ると、実際に演じてみた感想について石原は、自分自身、周りからよく幼いといわれるとのことで、「7歳のときのこよみはすごく演じやすかった」と振り返りつつ、「泣いているシーンが難しかったので、たくさん練習して本番を迎えた」というエピソードを披露した。一方の宮野は、今回の作品がフルCGアニメということもあって、「難しいというよりもビックリした」と語り、最初はちょっととまどったところもあるが、「キャラクターが表情豊かに描かれているので、声がのせやすく、新鮮な気持ちで収録に臨めた」との感想を述べた。

特撮は「観たことがない映像を実現させるという人の夢であり、それが魅力」と語る粟津順監督

『プランゼット』の特撮描写について、「新しいのに懐かしい感じが、観ていてもすごく感動的」と語る宮野真守

本格的なアフレコは初挑戦で、2日間の練習期間を経て本番に臨んだという石原夏織。好きな怪獣は「ゴジラ」とのこと

そのほか、舞台挨拶では、公式Twitterで受け付けられたファンからの、「皆さんの大好きなシーンや思い入れの強いシーン」「宮野さんがアフレコ時に着ていたジャージは大志っぽかったが、意識していたのか?」「こよみちゃんが劇中で着ている制服について」「監督にとって特撮の魅力は?」などの質問に、笑いを交えつつ、ひとつひとつ丁寧に回答。ここでは、最後に出演者から語られたファンへのメッセージを紹介しておこう。

石原夏織「無事上映できて本当にうれしく思います。今日から始まったので、これから皆さん、何回も、何十回も、何百回と観に来てください」

宮野真守「この映画には、感動するところがいっぱいあり、特撮というものへの愛情がヒシヒシと伝わってきます。僕自身、こういう新しい試みは大好きなので、参加できたことを本当にうれしく思っております。皆さんにももっともっとこの作品を愛していただいて、何十回も何百回も(笑)、ぜひ観ていただきたいと思います」

粟津順監督「2007年に企画がスタートして、今日ようやく封切ということになりました。これは『プランゼット』というタイトルにも込めた思いなんですけど、なかなか難しい時代になっており、もしかするとこの作品でラストにということも考えなくはなかったのですが、皆様に支えていただいて、次の作品も作れるように頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします」

粟津監督渾身の完全オリジナル作品『プランゼット』は、2010年5月22日より、池袋テアトルダイヤ(東京)、テアトル新宿(東京)、TOHOシネマズ川崎(神奈川)、TOHOシネマズららぽーと横浜(神奈川)、TOHOシネマズ流山おおたかの森(千葉)、フォーラム仙台(宮城)、福山駅前ピカデリー劇場(広島)、テアトル梅田(大阪)ほかにて全国ロードショー。製作・配給はコミックス・ウェーブ・フィルム。

池袋テアトルダイヤの館内の様子

(C)Jun Awazu/MEDIA FACTORY/CoMix Wave Films