NTTドコモは22日、表参道ヒルズ本館B3F スペースオーにてデザイン展「MOBILE TIDE 2010」を開催した。これは1987年製の携帯電話1号機から2010年夏モデルの最新機種まで、同社が発表した『携帯電話』の全機種を展示する試み。入場は無料で、開催期間は5月30日まで。
一般公開の前に、プレス向けに内覧会が催された。会場では同社執行役員プロダクト部長の永田清人氏に案内していただいた。携帯の1号機となったのは日本電信電話公社(NTTの前身)が1987年にリリースしたTZ-802Bだ。これは松下通信工業(パナソニック)と日本電気(NEC)が共同製造したもので重さ750g、体積500cc、ラジオのような長いアンテナを伸ばして使用するタイプのものだった。1979年に自動車電話が発表されてから8年後、持ち歩きできる最初の「携帯電話」として誕生したものだ。
1991年にはムーバPが発表された。同機種はメーカーが自由にデザインを決めることができた初めての携帯電話だ。いまの時代の感覚で考えると当たり前のことだが、「電電公社の歴史からすると、革命的なことだった」(永田氏)という。1999年には「iモード」が登場。PCのブラウザに代わるものを携帯電話に入れるという試みは当時、技術的にも相当難易度の高いものだったようだ。
2001年の防水ケータイを経て、2004年頃になると様々なデザイン、機能を持った携帯端末が登場する。それは部品の小型化、技術の高度化などにともない独創的なデザインが許される時代になったことに関係するという。preminiは重さわずか69gの極小モデル、P900iVはヒンジ側面にレンズを入れたエポックメイキングなムービーケータイだった。永田氏によると「当時は時代の先を行き過ぎていてあまり売れなかったが、いまの時代に発表していたらユーザーの反応は違ったのではないかと思うモデルもたくさんある」とのことだった。
ドコモの2010年夏モデル全20機種のうち、10機種はdocomo STYLE seriesからだった。また、コラボレーションモデルも6機種を数えた。現在、ケータイはよりファッションに近い感覚で選ばれる時代になっている。技術重視のものからデザイン重視のものへ、ケータイの変遷を確認できる今回のデザイン展は非常に興味深かった。
会場では、展示品を見ながら当時を懐かしむ来場者の姿が多く見られた。