家の中の電灯といえば、今やLED電球が圧倒的にお得なことは、かなり常識化してきました。しかし、実際に利用しようと思っても、なかなか手が出ないという人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は、LED電球のチェックポイントと選び方をご紹介しましょう。
賢い消費者なら、電球形蛍光ランプ、電球形LEDランプ、充電式ニッケル水素電池なら、商品価格の半額のエコポイントで交換できることはもうご存じですね。ただし、どこの家電ショップでも交換できるわけではありません。エコポイント申請サポート販売店でないとポイントをGETできないのでその点は気をつけて。
LED電球の最大のメリットは省エネ
LED電球の最大のメリットは、省エネ、つまり電気代の節約です。シャープによれば、一般的な白熱電球40W形(36W)を、LED電球7.5W(DL-L601N/L601L)に変えて、1日10時間点灯させると、1年間で電気代は2,289円(単価22円/kWhで計算した場合)もお得になるといいます。たった1個でこの値段です。10個交換したら、年間2万円の節約になると思うと、もういてもたってもいられなくなりませんか? まずは、玄関などの常夜灯を今すぐLED電球に替えたくなりますね。
長持ちの点でも圧倒的な差
続いてのLED電球のメリットは長持ちなこと。LED電球1個の寿命は一般的に約4万時間。白熱電球の寿命は約1000時間なので、白熱電球を39回取り替える間、LED電球なら1個で済んでしまいます。ちなみにLED電球がメジャーになるまで長寿命と言われていた蛍光灯タイプの電球でも6000時間なので、こちらとの差も歴然。断然LED電球が長持ち=つまりお得なのです。
価格面でも、エコポイント導入で有利に
LED電球は白熱電球に比べたら、まだまだ価格が高いイメージがぬぐい去れませんが、前述したように、寿命から試算すると、1個が白熱電球40個分です。しかもLED電球の実売価格が4,000円を切り、さらにアイリスオーヤマの「ECOLUX」(エコルクス)シリーズのように、実売2,300~2,500円前後のLED電球が発売されています。エコポイントで商品価格の半分のポイントで交換可能となった今、LED電球の方が断然お得なことは、誰がみても明白です。
購入時のチェックポイント!
電球が若干大きめ。密閉型だとカバーがはまらないことも
省エネ&長持ち&価格も下がったLED電球。しかも普通の白熱電球と同じように一般の電球ソケット(E26口金)に差し込むだけで使えるなら、今すぐ家中の電球をLEDに替えたくなりますよね。でも、ちょっと待って! 買い替える際には注意点がいくつかあります。安くなったとはいえ、まだ1個数千円単位の買い物になるので、絶対に失敗はしたくないですよね。
まずチェックすべきなのは電球の大きさ。LED電球は今までの白熱電球よりやや大きめサイズ。特に長さが長いので、密閉型の照明機器などではカバーがはまらない、また密閉型でない場合にも、下から電球がはみだしてしまう場合もあるそうです。LED電球を購入する時には大きさを必ずチェックしてください。
また、大きさがはまっても、密閉型の照明器具での使用を推奨しないというLED電球が多いのは事実です。なぜかというと、LED電球は白熱電球と比較して、発生する熱量は少ないものの、若干の熱を発します。その熱が密閉型の照明器具等の内部にこもってしまうと、電球内のLED回路に支障をきたす恐れや、使用可能時間(電球の寿命)が短くなる恐れがあるということのようです。現在、LEDの発する熱をうまく放熱できるようにした密閉型対応電球も発売されているので、密閉型の照明器具に使用の際は、対応型の電球を迷わず選択しましょう。
他にも、屋外での使用や浴室での使用は、湿気がLED回路の故障(不点灯など)につながったり、電球内部のくもりの原因になる可能性があるため、推奨できないといった注意点もあるのでチェックが必要です。
光が直進するLEDは表記の明るさより暗く感じることも
明るさにも注意が必要です。よくLED電球のマニュアルには、白熱電球の40W、60W相当と記載がありますが、これはあくまでも目安。実際のLED電球の灯りは、今までよりやや暗いと感じる人が多いようです。というのも、LED電球の光の特性と白熱電球の光の特性が違うからなのです。LEDの光は直進する特性があり、白熱電球のように電球全体が光り輝くという事がありません。
また、ソケット側に回路が内蔵されているため、どうしてもカバー面積が白熱電球よりも大きくなっています。そのため、ソケット側には光が届かないということが起きます。
簡単に説明すると、白熱電球がほぼ360度光り輝くのに対し、LED電球は180度しか光が広がりません。天井つり下げ式で上にも光が抜けるタイプの照明を白熱電球からLED電球へ替えた時には天井側がどうしても暗くなってしまいます。省エネを選んで天井が暗いのを諦めるか、またはそういう場所へはLED電球ではなく、電球型蛍光灯をチョイスしてみてください。ちなみにLED電球の明るさを電球のワット数へ単純に変換するのは難しいようで、各社ともパッケージなどに注意事項を記載しています。購入時には必ずチェックしてください。
調光機能付きの照明器具をLED電球に替える際には、必ず調光機能対応のLED電球を購入してください。少し前まではLED電球は調光機能付きの照明器具には使用できませんでしたが、現在は対応型の電球が各社より発売されています。そちらを間違わずに購入すれば、調光機能が使用可能です。
また、シャープからは、リモコンで光の色を変えられる調色機能付きのLED電球が発売されています。色温度が変えられ、電球色と昼白色を好みによって使い分ける事ができるのです。実売価格は通常のLED電球よりやや高いのですが、電球をチェンジするだけで今までの照明器具がすっきりした昼白色と、暖かみのある電球色といった使い分けができるのは画期的ですよね。
電球に比べ全般的に重め。取り付け金具の耐荷重をオーバーすることも
重さにも要注意です。何も考えずにLED電球を選んだ場合、100gを超えた製品を選んでしまう可能性があります。一般的な白熱電球の重さは約30gなので、LED電球は白熱電球の3倍程度の重さがある事になります。電球型蛍光灯は約60gなので、それと比較しても、LED電球は2倍くらい重いのです。1灯だけであればさほど気にするところではありませんが、例えば、電球を5つ使う5灯タイプのシャンデリアの場合に白熱電球から 100gあるLED電球に交換すると、350g近く重くなってしまいます。
シャンデリア本体の重さにもよりますが、知らずに重いLED電球に取り替えた結果、取り付け金具の耐荷重をオーバーして落下するというトラブルも考えられます。最近では小型や軽量型のLED電球が発売されていますので、個数を使用する場合には迷わずそちらを選択しましょう。E17口金であれば、パナソニックから4月23日に発売された小型電球タイプが重さ40g(LDA6D-E17 LED電球小形電球タイプ(E17口金)において。重さ40g)とのこと。これなら白熱電球と余り変わりませんね。
いろいろとチェック事項を並べましたが、最終的に覚えておかなくてはならないのは、白熱電球はもう市場からなくなる物で、遅かれ早かれLED電球や電球型蛍光灯へのシフトチェンジが必要になるということです。どうせ替えるのであれば、早めにLED電球へ交換し、そのメリットをいち早く享受したいものです。なお、今後も新商品が続々と市場に投入され、LED電球の使い勝手は良くなっていくことと思われます。購入の前には最新の情報を各社のHPなどでチェックしましょう。