ソニーは5月19日、マルチチャンネルインテグレートアンプ「STR-DH710」を発表した。発売は6月10日で、価格は5万4,600円。
STR-DH710は、2008年11月に発売された「STR-DG820」の後継機種。STR-DG820も、当時としては、かなりのハイコストパフォーマンスモデルだったが、STR-DH710は、それを上回る戦略的な価格となっている。
STR-DG820からの変更点は、まず、3D映像信号のパススルー転送や、ARC(オーディオリターンチャンネル)といった、HDMI 1.4の規格への対応(HDMI端子は3入力/1出力を装備)。さらに、チャンネル構成は、従来の5.1chから7.1chとなり、サラウンドバックチャンネルも利用できるようになった。もちろん、「Dolby TrueHD」「DTS-HD Master Audio」といったHDサウンドにも対応する。また、サラウンドバックの代わりにフロントハイトにスピーカーを設置することで、Dolby PRO LOGIC IIzによる、高さ方向の音場表現が加わったサラウンド再生も可能だ。
チャンネル数が増えると、1チャンネルあたりのクオリティが気になるところだが、同社によると、STR-DH710に搭載されているパワーアンプは、STR-DG820と同等。つまり、もともとは「TA-DA5300ES」に採用されていた第2世代の広帯域パワーアンプと同等のものが搭載されているということになる。これにより、STR-DH710でも、TTR-DG820同様、10Hz~100kHzという、可聴域を越える再生周波数帯域が実現されている。定格出力は、各chとも85W(8Ω時)。
デジタルメディアポートを搭載しており、オプションのデジタルメディアポートアダプターを使えば、ウォークマンとのデジタル接続も可能。STR-DH710のリモコンでのウォークマンの操作や、ウォークマンの充電にも対応する |
また、「アプリキャスト」の「オーディオ機器コントロール」アプリにも対応。対応するブラビアを使用している場合、入力の切り替えや音質、サウンドフィールドの設定などを、ブラビアの画面表示を見ながら行うことができる。なお、オーディオ機器コントロールアプリは、シアターシステムでは「RHT-G15」「RHT-G11」「HT-CT350」「HT-CT150」といった対応モデルがすでに存在するが、マルチチャンネルインテグレートアンプとしては、本製品が初対応となる。
ウォークマンなどとの接続のためのデジタルメディアポート(DMPORT)も装備されており、デジタルメディアポートアダプター「TDM-NW10」、「TDM-BT10」(Bluetooth)を利用することで、STR-DH710のリモコンで、ウォークマンの基本操作が可能になる。圧縮音楽の補間を行う「ポータブルオーディオエンハンサー」も搭載されており、DMPORT、またはフロント端子からの入力時に利用可能だ。
主な仕様 | |
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HDMI | 3入力/1出力 |
映像入力 | コンポジット:3系統/コンポーネント:3系統 |
映像出力 | コンポジット:1系統/モニター出力:1系統(コンポジット)/コンポーネント:1系統 |
音声入力 | 光デジタル:2系統/同軸デジタル:1系統/ライン:2系統/DMPORT:1系統 |
音声出力 | REC OUT:1系統/SP OUT:1系統(7ch)/サブウーファー:1系統/ヘッドホン:1系統 |
消費電力 | 約330W |
本体サイズ | 430(W)×157.5(H)×322(D)mm |
質量 | 約8.0kg |
付属品 | リモコン、音場補正マイク(D.C.A.C.による部屋の音響特性測定用) |