6月1日よりサービス開始となる「JALマイルフォン」

日本航空インターナショナルはインフォニックスの協力で、KDDIの通信網を使った仮想移動体事業者(MVNO)方式による携帯電話サービス「JALマイルフォン」を6月1日より提供すると発表。JALマイルフォン専用端末を5月18日より販売する。

JALマイルフォンの特長は、毎月の携帯電話の利用でJALのマイルが貯まる点。利用料金をJALカードで支払った場合、100円毎に最大7マイルが付与される。専用端末の販売は同サービスWebサイトからの直販のみとなっている。

5月18日に行われた記者発表会では、日本航空(以下、JAL)執行役員の藤田直志氏が登壇。現在、JALが会社更生手続き中であることを踏まえた上で、「再生に向けて、顧客を大事にし、新たな顧客を得るため」に、同事業を開始するという決意を述べた。また、MVNOによる携帯電話事業への参入について、3年にわたって検討してきたことを明らかにした。

インフォニックス 代表取締役社長の淺野浩志氏は、同社が手がける「Tigersケータイ」、「GIANTSケータイ」というプロ野球ファン向け携帯電話に続いて、JALのユーザー向けとして「JALマイルフォン」を開始すると述べた。KDDI 新規ビジネス推進本部 事業開発部長の新居眞吾氏は、同社のインフラを利用することについて、「安心、安全」というメリットを強調した。

日本航空 執行役員の藤田直志氏が挨拶

JALマイルフォンは、インフォニックスが提供するMVNOプラットフォーム「SELECT MOBILE」が基盤となっている。JALがマイルおよびコンテンツの提供を行い、インフォニックスが販売やサポートサービスなどの事業運営を担当。KDDIはau携帯電話のインフラを提供する。

通話エリアや基本サービス、料金体系などは、auのサービスに準拠しており、最も安い料金プランで780円から。アフターサービスについては、「JALマイルフォン」独自のサポートセンターを設ける。

携帯電話利用によるマイルの付与については、基本使用料や通話料、パケット通信料がマイル付与の対象となり、利用料金が0~2,999円の場合100円毎に1マイル、3,000~7,999円の場合100円毎に3マイル、8000円以上の場合100円毎に5マイルが積算される。

利用料金 積算マイル数(100円毎)
0~2,999円 1マイル
3,000~7,999円 3マイル
8000円以上 5マイル

さらに、利用料金をJALカードで支払うことにより、100円毎に最大2マイルが追加される。合計で、100円毎に最大7マイルが付与される。なお、電話機購入代金や事務手数料、EZ WINコース月額使用料などはマイル付与の対象とならない。

携帯料金100円毎につき、最大7マイルが付与される

マイルの積算以外にも、JALマイルフォンは、航空券の予約や購入、空席照会などができる「ポータルアプリ」、JALのキャンペーン情報などを入手できる「デスクトップアプリ」を備えている。このほか、飛行機エンジン音などの着ボイスをダウンロードできる「JALマイルフォン」限定のエンタメサイトにもアクセスできる。

JALマイルフォンの初期ラインアップとして発売されるのは、5機種19カラー。いずれの機種も、auの携帯電話からセレクトされたもので、今後もシーズン毎にラインアップが追加されていく予定となっている。提供方法をWebサイトからの直販のみにすることで、販売コストの圧縮を見込んでいる。

JALマイルフォンの初期ラインナップ

JALマイルフォンのロゴが印字されている

ターゲットとして想定されるユーザーは、「約2千万人のJALマイレージバンク会員と、約2百万人のJALカード会員」(JAL 藤田氏)。"マイラー"と呼ばれるマイレージを積極的に活用しているユーザーにリーチしたいと述べた。

なお、サービス開始にともない、「JALマイルフォン誕生記念キャンペーン」を実施する予定。7月31日までに、JALマイルフォンを契約すると、1000マイルが付与されるほか、抽選でハワイ旅行や航空券が当たるキャンペーンとなっている。

JALマイルフォンを発表するKDDI 新居氏、JAL 藤田氏、インフォニックス 淺野氏 (中央左から)